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617 悩まされた仕事⑨バルブⒷ真鍮バルブ

ヤリカタギ
  ペンギン舎の真鍮製の排水バルブは、私が就職した昭和46年頃には軸がすり減り空転が起こり始めていた。グラグラする軸を片方に押し当てて回すことで対応していたが、それも数年で限界を迎えた。このバルブはコンクリートに埋め込まれていて取り替え不能。そこで私は修理を試みた。引き抜くことのできた軸の再生である。トタン板を2㎜幅に細長く切りそれを1㎜幅のV字に折り曲げネジ山に巻き付け、エポキシ樹脂で貼り付けていったのである。これは一時的に大成功だったが、1~2年で樹脂が割れ、トタンが剝がれた。その度に修理を繰り返して、新築(昭和59年)までの10年余り面倒を見続けたのである。
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616 悩まされた仕事⑨バルブⒶ旧館時代

モモイトヨリ
 桂浜水族館の誕生は、今から88年前の昭和6年4月とのこと。その頃のポンプやバルブなどは、さすがに私も知る由がない。第二次大戦中は軍が桂浜を管理下においていて、水族館は当然のこと強制閉館。ポンプやバルブなどの金属は供出させられていたはずである。昭和23年に再開したとの事だが、その頃にはまだプラスチック製品は出回っていなかった。昭和25年に作った25mプールの排水口は鉄製の大型ゲートバルブ。その後昭和29年製ペンギン舎もバルブは真鍮製だった。私が就職した昭和46年にはこれらのバルブはかなりくたびれていて、その扱いに苦労させられた。まずはその真鍮と鉄製のバルブの面倒をみていた話から、私を悩ませてくれた“バルブ”との戦いを書いてみたいと思う。

615 悩まされた仕事⑧大型クーラーⒷ冷水ポンプ

メバル
  飼育水を冷却するために、クーラーで作った冷水を熱交換器に送り込むためのポンプの話である。地下室の天井近くに設置されているラインポンプで、床上2mほどの配管の途中のにあり、点検や取り替えは脚立の上でやることになる上、狭い隙間に設置されているのでボルトナットの取り外しにも苦労がいる。このポンプは新築から10年余りで3回も壊れて私が取り替えたが、あまりにひどいのでポンプ屋に相談すると「過負荷かも…」との答え。バルブを半絞りにして電流値を下げると以来20年以上働き続けてくれているのである。

614 悩まされた仕事⑧大型クーラーⒶサーモスタット

ムラサメモンガラ
  開放式(かけ流し)が主体の当館にも、50tほどの循環水槽がある。この水槽用のクーラーは35年間文句も言わずに働き続けてくれているが、サーモスタットは出来が悪い。3年から5年ごとにダウンするのでクーラー屋に文句を言ったら「塩害ですから」と簡単に逃げられた。サーモの取り替えは2万円余りだが、それよりも発注から修理の完了まで、早くても3日「部品が取れない」とのことで半月ほどかかったことも。その間私が手動で温度調節をしなければならなかった。そこでもうサーモをあきらめ手動でコントロールすることに決めた。以来15年余り、夏場は朝夕調整を続けているのである。

613 悩まされた仕事⑦電気設備Ⓒ水槽照明

ミギマキ2
  台風や梅雨時などに、照明系統の漏電ブレーカーが落ちる。このブレーカーは館内のほとんどの照明やコンセントなどの主電源なので、館内は真っ暗になる。原因は塩害。館内では水槽への注水やエアレーションに伴って塩分が常時大量に飛散しているので、それが照明機やコンセントに付着し、大雨などで湿度があがると漏電が起きるのである。ブレーカーが落ちると水槽照明系統を切り離し、まず館内の照明を復活させてから水槽照明系統の器具やコンセントを乾いた布で拭いてまわる。塩分と湿度が原因なのは分かっているので、梅雨時の前には一通りの処理をしているのだが、それでもこの漏電は毎年のように繰り返されているのである。

612 悩まされた仕事⑦電気設備Ⓑペンギン舎(後)

マイワシ
  ところがある時、雨も降ってないのにブレーカーが落ちたことがあった。係に聞くと「年末大掃除でペンギン舎を洗っていた」とのことだった。そこで改めて調べてみると、これまで全く気付かなかった所に電気ボックスを見つけた。コンクリート壁に塗り込まれるような形で、その上から防水塗料がかけられていて、外からはほとんど見えない状態だったのである。「やっと見つけたこれに違いない」とボックスをこじ開けてみると、結線部が垂れ下がっていて、一目で絶縁不良が感じられた。結線部を補修してボックスをシリコンで丁寧にシール。以来この回路での漏電はピッタリと止まったのである。

611 悩まされた仕事⑦電気設備Ⓑペンギン舎(前)

ホシエイ
  大雨が降る度に、必ずと言っていいくらいペンギン舎系統の漏電ブレーカーが落ちる。この系統に繋がっているのは照明とカワウソ舎のヒーター等で、魚類とは全く別だから雨があがるのを待ってからブレーカーを入れればOKなのだが、カワウソ係に「雨の日は少し暗いのでカワウソ舎に照明が欲しい」と言われた。しかし調べても調べても漏電の場所が特定できない。漏電はその瞬間のみに反応することが多く、テスターで調べても正確なデータが取れないことが多いのである。「なんとかして…」と度々言われたが「わからん」と答えることしか出来なかったのである。   続く

610 悩まされた仕事⑦電気設備Ⓐ電気屋代行

ヘダイ
  旧館時代、電気設備は当時の館長が一手に握っていた(110感電②館長)が、昭和59年の移転新築以後は私の仕事になった。新築当時には電気トラブルはほとんどなかったが、そのうち増築や改装などで私は電気屋さんの助手として天井裏を這いまわり、ブロックを掘り返して配線を埋め込む手伝いを随分繰り返した。その電気屋さんに色々と教えてもらったものだったが、20年余り前に体調を崩してそのまま廃業してしまった。新しく電気屋さんを探してみだが、どの人もこちらの思惑どうりの仕事をしてくれない。仕方なく電気設備のほとんどを電気については全くの素人である私が、面倒を見続けているのが現状なのである。

609 悩まされた仕事⑥渇水警報Ⓓ復活

フウライウオ
  警報盤はギブアップ、とても私の手には負えないので知り合いの業者に何人か声をかけてみたが「警報盤はどうも」と断られた。館長がやっとなんとか「見てみましょう」と言う人を連れてきてくれたが、予想どうり「図面を…」と言われた。30年余りも前の盤だし私も見たことがない。「調べて図面を引いてみましょう」と言って、やり始めたのはリレーを引き抜いては差し替えるテストばかり「それは私のやってみた…」と言いたかったが飲み込んだ。数回通って調べに来てリレーを引き抜いていたが、さすがは専門家。「やっと怪しいと思える所が見えてきた」と言いつつリレーのテストを繰り返したのち、やっとのことで警報盤は復活したのである。

608 悩まされた仕事⑥渇水警報Ⓒブレーカー

 ヒブダイ2
 ところが次のシーズンの中頃、またしてもブザーがおかしくなってきた。今度は「早押ししても長押ししても止まってくれない。早く来て」と夜半に呼ばれた。ブーブーとうるさい中、やみくもにリレーの抜き差しを試してもダメ!。何しろ私は“魚屋”であって、お魚については少しは勉強したつもりだが、電気については全くの素人。まして警報盤なんてわかるわけがない。それでも私が何とかしなければならない立場にいるのである。たどり着いたのが警報電源「これを切れば全て止まる」と思ったが甘かった。この警報盤は停電警報と連動しているので、ブザーを鳴らすためのバッテリーに繋がっているので、ブーブーは止まってくれない。色々なめまわし、バッテリーに繋がっているそれらしいブレーカーを落としてなんとかブザー停止にたどり着くまで、真夜中に二時間余り!。疲れ果ててしまったのである。   続く

607 悩まされた仕事⑥渇水警報Ⓑリレー

ハオコゼ
  それから数年後、またしても真夜中に「ブザーが止まらない」との呼び出し電話。今度は「地下室のブザーを押してもダメ」とのこと。前回とは違って、地下室・作業場・入り口のいずれを押してもダメ!。やけくそでボタンをガタガタと早押しすると止まってくれた。これは接点ではないと解釈したが、その先の知識はない。多分沢山並んだリレーのどれかが不良なのだろうと想像して、わからないなりにリレーを引き抜いては差し替えてテストを繰り返し、少し焦げ目のついた怪しいと思えるリレーを見つけた。それを新品に取り替えるとブザーは正常に動くようになってくれたのである。   続く

606 悩まされた仕事⑥渇水警報機Ⓐ停止ボタン

ノミノクチ
  取水井戸の渇水警報のブザーが、異常な動きをするようになってきたのは10年ほど前のこと。この警報機は館内のどこにいてもわかるように、宿直室・作業場・切符売り場・地下室の四ケ所に設置されており、各所にある停止ボタンでブザー音だけは止まるようになっている。最初は宿直室から「ボタンを押しても音が止まらない」と呼び出されて、私が試しに地下室のボタンを押すと一発で止まった。宿直室では毎シーズンボタン操作を繰り返しているので、接点不良が起こっていたらしく、私が分解してヤスリで磨いて給油してやると、症状はなくなったのである。   続く

605 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策⑥新井戸

ネズミギス
  冬場の渇水対策で、月のうち半分以上を泊まり込んで徹夜の夜番をしている私を見かねた当時の館長が、新しく井戸を掘ってくれた(221井戸のお話④No4井戸)。4本井戸体制になってからは、それぞれの井戸からのポンプをかなり絞っても十分な水量がまかなえるようになり、夕方にその日の潮位を予想して絞りを入れて帰り、出勤時に開放すれば良くなり、泊まり込みから開放されたのである。ところがその後10年ほどして、一番古い80年ほど過ぎた井戸(No1井戸)が壊れてしまった。また元の3本体制にもどってしまったが、この新井戸は他の井戸よりもだいぶ深く掘れていて渇水には強く、基本的には夜番はなくなっている。それでも年に数回ほどは、夜中に呼び出されて対応しなければならないことが起こっているのである。

604 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策⑤おしっこ作戦

ヌタウナギ
  水位が下がり、ポンプが露出して冷却が出来なくなっておこる自動停止を防ぐには、露出した部分に水をかければいいかも、と考えて“おしっこ作戦”を思いついた。本体の横に立ち上がっている送水管に小さな穴を開け、ポンプにおしっこをかけてる状態になるようにセットしてみたのである。この作戦はかなりの効果があった。本体が30cm余り露出したあたりで起こっていた自動停止が、エア吸いが始まる直前の50cmちかくまで停止を引き伸ばせるようになったのである。

603 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策④穴あけ

ニザダイ
  桂浜の井戸は底部からのみ湧水する構造で、ポンプを起動すると水位は50cmほど下がってしまう。もし井戸の側面にも穴があればもっと水位を確保出来るかもと考えて、潮が特別によく引く時を狙って井戸側にコンクリートドリルで10㎜の穴あけてみた。その穴から毎分10リットルほどの水が噴き出してきたので、よし!と頑張ったが10㎝の厚さのコンクリートなので、一晩に20本ほど開けるのが精一杯。毎晩真夜中に井戸の底での作業を繰り返し、各井戸に50本づつほどの穴を開けた。これにより水位は30㎝ちかく上昇し、当初は大成功と思っていた。しかしその穴は少しづつ目詰まりが起こり、今では半分以上の穴が仕事をしなくなってしまっているのである。

602 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策③絞り

ナベカ
  切り替えはあまりにも手間がかかるので、何とかしなければと考えた末にたどり着いたのが“絞り”である。バルブを絞って吸水量を少なくすると水位が保てて切り替えが必要でなくなる。電流計を見ながらポンプのメインバルブを絞り、各水槽への注水量を調整しておくと、あとは渇水が終わるまで待ち時間となるのである。そこで待ち時間には浜で投げ網をしてギンユゴイやコバンアジを獲ったり、満月の月あかりでよく引いた磯を回って、ウニや貝類の採集をする余裕も生まれた。しかしそれでも自動停止が起こるほど潮が引くようなこともある。そんな時はさりに絞り込み、イルカやペンギンプールへの注水を止めて、魚類水槽のみに注水を集中しなければならないことも起こるのである。

601 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策②切り替え

トガリエビス
  気象庁が発行している“潮汐暦”の干潮時間と警報の発報時間を見比べて、もうすぐ込み潮になる時間ならばスルー出来るが、この先まだまだ井戸の水位が下がる見込みだと対策が必要になる。3本の井戸で、ポンプの過熱による自動停止が2台同時に起こるのは絶対に避けなければならないので、それを防止するために、当初は“切り替え”を行っていた。そろそろ危なくなりそうと判断すると、1台を手動で止めて休ませ30分おきに順番に回してゆくのである。大抵は2順ほどで干底をクリヤーできたが、潮位が特に低い潮回りには、4順しなければならなかったこともあったのである。

600 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策①夜番

テンス
  冬場の夜の“渇水”は早い時は9時過ぎに警報ブザーが鳴り、毎日約40分づつ位遅れながら最大10日間続く。当初はブザーで呼ばれると、井戸の蓋をはぐり8mほどの底まで降りて水位を測り、30分ごとに海の干潮と井戸の干底の時間差を比べ、センサーの高さを調整し、ブザーの発報とポンプの露出ぐわいと発熱による自動停止までの時間とその間隔を繰り返し調べた。その結果、海の干潮と井戸の干底の差は2時間15分で、自動停止は発報から2時間後。停止すると水位が回復するので15分ほどで自動復帰することなど、徹夜の夜番を繰り返し“渇水”の対策・対処方法を模索したものである。

599 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓐ解説②

ツキチョウ
  土佐湾などの太平洋岸では、冬場の満月の真夜中に大きく潮が引く(春になると新月の昼間に引くので潮干狩りシーズンになる)。早い年では九月の満月の夜の潮から始まり、三月まで“渇水”に備えねばならない。潮位は気象にも大きく左右される。お天気が悪くなると気圧が下がり波も出るので潮はあまり引かない。逆にお天気が良くなり、高気圧が張り出して北風が強く吹くと、土佐湾の海水が沖へ押し出されて、潮位は大きく下がってしまうのである。各井戸には水位センサーがセットされていて、危険水位まで下がると宿直室でブザーが鳴り、私が呼び出されるのである。

598 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓐ解説①

チョウハン2
  当館では桂浜に掘った井戸から海水を汲み揚げでいる。波打ち際から80mほど離れた遊歩道のすぐ横にある井戸は、大潮の干潮水面より1mほど深く掘ってあるが、それでも夜間の干潮時に大きく潮が引く、冬場の大潮には“渇水”が起こる。各井戸には7.5kWの水中ポンプが座っており、稼働中は毎分1tちかく吸い揚げているので、停止時の水面より50cmほど水位が下がってしまう。ポンプ本体が水面より露出してしまうと、モーターの発熱を冷却出来なくなり、安全装置が働いて自動停止してしまうのである。常時三台稼動しているのだが、二台が同時に自動停止してしまうと水圧不足になり、魚類水槽への注水が止まってしまうのである。
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