531 漁港巡り⑪日沖廃港

ハヤブサ
  室戸岬の東岸には、いくつかの廃漁港がある。磯の形を利用して石垣を築いて防波堤を作り、船溜まりにしてみたものの、度重なる大波に壊されたり、利便性が悪くなったりで利用者が無くなり、廃棄されたてしまった漁港である。そんな場所は釣り場としての条件(水深・足場・アクセス路など)が整っていることが多く、私も何度となく利用している。中でも日沖廃港は、50m余り高さも20m近い巨岩が自然の防波堤になっていて、その崖には毎年春先にハヤブサがやって来る。バードウオッチング(413バードウオッチング⑨ハヤブサ)が趣味の、若い娘にせがまれて何度も出かけた。磯釣りだけでなく、バードウオッチングも楽しませてくれる廃漁港なのである。
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530 漁港巡り⑩高岡漁港

マツダイ
  室戸岬を東に回り込んだ最初の漁港である。磯の形を利用した古い港の外側に、昭和40年代に巨大な防波堤を築いて作った新しい港に囲まれている。玉網を持って見回るとハリセンボン・イシガキフグ、6月にはソウシハギ、8月にはマツダイなど。ミノカサゴやヘコアユをゲットしたこともある。古い港のほうにはタコクラゲが発生することもあれば、ゴマモンガラがたくさん獲れたこともあった。玉網一本で、ミニ水族館が出来るほどの獲物に出会うこともある漁港なのである。

529 漁港巡り⑨加領郷漁港

ツバメウオ3
  室戸岬にほど近い羽根岬の根元にある、古くからの良港である。羽根岬には“土佐日記”で有名な紀貫之が国司を退任する時の帰り道、風待ちをした港で詠んだとされる句碑が建っている。しかしそれは年代を考えると、句碑のすぐそばの羽根岬漁港ではなく、こちらの加領郷漁港と思われる(私見)。この漁港には何故かツバメウオが多い。7月にここに来ると必ずと言っていいほど幼魚が数尾確保出来る。また夜釣りで、オオスジイシモチがよく釣れる。隣の新港のドックには、毎年春先にイトアオサが繁茂する。植物食の魚(ニザダイ・メジナ等)の他、サザエやウニの餌として重宝するので、たくさん集めて冷凍ストックしているのである。

528 漁港巡り⑧手結(てい)漁港

アカエイ
  桂浜から東へ30km。ここは40年余り前、恩師の採集の手伝い(165定置網漁)に通った漁港である。中型の定置網があり、水族館向きの魚がたくさん手に入った。この漁港の周りは砂地なので、秋になるとニベの幼魚が玉網ですくえた。少し深場(2~3m)で泳ぐとアカエイもいて、砂に潜り目玉だけを出している。大型には手が出せないが、10㎝ほどの当歳魚なら玉網で伏せればいい。この漁港は土佐藩の家老・野中兼山が築いたことで知られ、内側の旧港には当時のままの石垣も残っている。

527 漁港巡り⑦足摺港

ミナミハタンポ
  足摺岬から西へ20km余り離れているのに“足摺港”の名前がついているのは、長距離フェリーの寄港地として新たに作られたせいだと思う。だからここは“漁港”ではない。天然の大きな湾の入口に防波堤を築いた良港だが、残念なことに利用者不足で航路が廃止になってしまった。ここの巨大な防波堤は釣り場として人気があり、私も何度も夜釣りに出かけ、ハタンポやアカマツカサを採集している。助手に連れて行った次男が5m下の海に落ちたこともあれば、バッテリー切れで困った(439エコおやじSOS③足摺港にて)こともあった。また堤防の内側にはオヤビッチャやベラ類がたくさん釣れる桟橋もある。

526 漁港巡り⑥清水漁港

タコクラゲ
  足摺岬の付け根にある清水漁港は、入り口が100mほど奥行きは500m余りの細長い湾の奥にあるので、台風時でも太平洋の大波がほとんど届かない良港である。船溜まりの岸壁にはタツノオトシゴ(タカクラタツ)がポツポツ見られるので、採集の帰り道などには、必ず立ち寄って覗いてまわる。しかし何よりこの漁港では、八月末になるとタコクラゲが大発生する。温暖化による海水温上昇で、20年ほど前からボツボツ現れはじめ、10年余り前からは毎年欠かさず採集に行くようになっているのである。

525 漁港巡り⑤池の浦漁港

クロホシイシモチ
  桂浜から西へ30kmほど。横波半島の中ほどにある外洋に面した良港である。横波半島は山ばかりなので、昔は陸路はなく船以外のアクセスはなかったらしいが、昭和48年にスカイラインが開通してからは、当時のブームと重なって磯釣りのメッカとなった。ここでは小型の定置網やイセエビ狙いの底刺し網が盛んで、数人の漁師が水族館向き(いろどりがきれいだが市場では売れない)の魚を畜養してくれている。船溜まりではゲンナイ(クロホシイシモチ)がよく釣れるし、岸壁を覗いて回るとハナウミシダがよく見つかる。

524 漁港巡り④宇佐漁港

コトヒキ
  桂浜から西へ10km余り。浦ノ内湾の入口にあり、いくつもの船溜まりが並ぶ大昔からの良港である。古い港のせいかどうかは不明だが、ここは時々タツナミガイが大量に発生することがある。また新しく付け加えられた船溜まりでは、六月にはゴン玉(ゴンズイの幼魚の群れ)。九月にはチョウチョウウオ類がすくえる。釣り採集ではチヌやコトヒキなど魚種も多い。中でもゲンナイ(クロホシイシモチ)は、毎年のように狙って夜釣りに通っている。また湾の入り口近くには、潮干狩り場として有名な“天皇洲”と呼ばれる干潟がある。

523 漁港巡り③春野漁港

カエルアンコウ
  桂浜から西へ5km余り。内陸に入り込んだ良港の外側に、海岸整備を兼ねて大きな防波堤を作った新しい漁港である。コンクリートの岸壁にカキなどの付着生物がまだ少なかった頃(20年ほど前)玉網採集がやりやすく、夏場にかけてチョウチョウウオ類の幼魚を求めて随分通った記憶がある。内側の旧港には浅い砂地もあり、ハゼ釣り場として有名だし、船溜まりの岸壁にはカエルアンコウが多いとの情報もある。近場であてになる漁港なのである。

522 漁港巡り②御畳瀬漁港

タカクラタツ
  “みませ(御畳瀬)見せましょ、裏戸(浦戸)を開けて”と“よさこい節”に歌われているように、浦戸湾の入口からほんの少し入った所の漁港である。現在は行われていないが“近海底曳き網漁”が盛んだった頃は、多くの漁船がこの港を基地にしていた。40年以上も前のことだが、早朝この漁港に通いつめたことがあった。底曳き網漁の網の中から魚を選別しているおばちゃん達の所を回ると、大量のゴミに混じって生きたエビやカニ・タツノオトシゴがみつかることも。また非常に珍しい魚に出会うこともあり、新人飼育員時代に随分勉強させもらった漁港なのである。

521 漁港巡り①浦戸漁港

トビハゼ
  浦戸湾の入口。桂浜水族館から1km余りの、一番近い漁港である。地元なので釣り人からはチヌやボラ、延縄漁師からはベラやカサゴ、底引き網の船からはクルマダイやエビスダイなどを貰っている。この漁港では、夏場の夜釣りでウリボウ(イサギの幼魚)を100尾以上手に入れたこともあるし、夜間の玉網採集でチョウチョウウオをだいぶ集めたことも。また台風明けに1㎝ほどのサザナミフグの幼魚がたくさん採れた年もあった。他にも、土佐湾では絶滅したと思われていたトビハゼが、10年ほど前から姿を現している。なにしろ近いので、度々お世話になるお気に入りの漁港なのである。

520 漁港巡り(序)

マナマコ
  飼育魚類を自家採集する上で、漁港巡りは欠かせない。近隣をはじめとして、機会あるたびに漁港を覗く。私の車(軽ワゴン)には、釣竿・玉網のほか、50ℓ余りの水槽とエアポンプが常備されている。通りがかりの漁港の船溜まりを覗くと、色々な魚を見かける。たいていは存在を確認するだけなのだが、中には玉網で簡単にすくえる魚も。また、その場で手に入るヤドカリなどを餌にして釣れる魚や、ナマコ・ヒトデなどを見つけた時も、つるべ(ロープ付きのバケツ)で港の水を汲んで家まで。自宅の水槽で翌日の出勤時まで一休み。このようにして“いつ・どこの漁港で・どんな魚が…”との蓄積が私の財産なのである。今回はそんな私のお気に入りの漁港(独断と偏見がいっぱいだけど)を紹介してみたいと思う。

519 (続)桂浜百景⑲錯覚の理由

龍子
  桂浜とは、西の竜王岬と東の竜頭岬に囲まれた砂浜のことである。龍馬像は竜頭岬に立っているが、昭和46年頃までは竜頭岬の東側(正確には北側)にも砂浜があった。竜頭岬の先端には桂浜の砂の流出を防ぐための砂防堤が作られているが、台風の度に何度も壊されたとのこと。その砂が浦戸湾の水路に流入するのを防ぐため、高知県と国はさらに巨大な堤防をその北側に伸ばした。それによって昭和40年頃までに、竜頭岬の北側にはかなり広い砂浜が形成された。そのころ桂浜を訪れた人々は、この北側の浜から龍馬像を見上げたはずなのである。その後、高知市はそのあたりの砂浜を埋め立てて駐車場にしてしまった。遠い昔(昭和46年頃まで)に龍馬像を見た人には“砂浜から見上げた”記憶だけが残されているせいなのは間違いなさそうである。

518 (続)桂浜百景⑱大ジャンプ?

飛子
  「ちょっとお伺いしますが…」と年配の人が、切符売り場の私に質問してくることがある。「坂本龍馬の銅像は以前はあそこ(西側の竜王岬)にあったのでは?」。私が「昭和3年から、今の所に立っています」と言ってもなかなか信用せず、なかには「絶対あそこにあったはず…」と頑張る人もいる。8メートルの台座の上に乗る5メートルの銅像である。動かすのは至難の業!。それに竜王岬には階段しかなく、銅像を運べる広さの道はない。まさか銅像が東の竜頭岬に向かって300メートルの大ジャンプ??。何度も世間を“あっ”と言わせた龍馬ならやりかねない??。この疑問の答えについては、私の個人的見解ではあるが、来週の“(続)桂浜百景”の最終稿で。

517 (続)桂浜百景⑰桂浜の海底

潜子
  この景色を見ることが出来るのは、現在ではごく限られた人間だけである。昔(昭和の頃まで)は桂浜で海水浴をする人がかなり見られたが、度重なる海難事故(26~27人命救助・番外悲しい事故)を気にした高知市は、桂浜を遊泳禁止にしただけでなく、監視員を置いて、あろうことか波打ち際の水遊びまで禁止してしまったのである。だから私は、今では監視員が帰る午後五時以後にこっそり海に入る。海底の景色は、波によって砂が大きく移動して埋もれていた岩盤が掘り出されたり、巨大な岩が転がったりの変化はあるが、基本的には40年間ほとんど変わらない。ただ一つ大きく変わったのが珊瑚である。40年前には全く見られなかったが、ここ10年ほどの間にあちこちに沢山見られるようになっている。これも地球温暖化の証拠の一つに違いないのである。

516 (続)桂浜百景⑯桂浜の砂粒

粒子
  桂浜百景と題しているが、この“砂粒”については誰にも見えない所にある砂粒のことである。必然的に起きたのが偶然に桂浜だけがそうなのかは、地質学の勉強をしたことがないのでわからないが、桂浜の深層部の砂層が5mm前後の砂粒で構成されていなければならないのである。昭和の初め頃、この浜に井戸を堀り水槽を作って魚類の畜養を始めた人がいた。それが桂浜水族館の初代館長(永国亀齢)である。そしてその井戸から汲み上げられた海水が、桂浜水族館の命(23桂浜水族館の命)となったのである。“砂粒”が粗いと濁りが取れないし、細かいと目詰まりを起こして水量が少なくなる。この浜の深部の砂層が、桂浜水族館を85年間も支える続けているのである。

515 (続)桂浜百景⑮五色石拾い

石子
  桂浜の砂の大部分は、10Kmほど西側の仁淀川から排出された砂利で形成されたものと思われる。仁淀川の上流には、赤や緑の巨大な岩石が並ぶ渓谷があり、そのあたりの岩も砕けて砂利となって運ばれてきているようだ。桂浜水族館の初代館長は、その色石に目をつけて“五色石”と名づけておみやげ物にすることを思い付いた。昭和34年のペギー葉山の“南国土佐をあとにして”の大ヒットに便乗して、桂浜と五色石も大ブレイク。桂浜とその西海岸での“石拾い”は近隣のおばちゃん達の素晴らしいアルバイトとして定着していった。しかし仁淀川上流に出来た大渡ダム(昭和43年着工)に堰き止められて色石の流入がなくなり、昭和の終わる頃には拾いつくされたようで“石拾い”のおばちゃん達は姿を消してしまったのである。

514 (続)桂浜百景⑭海亀の産卵

卵子
  私が桂浜に来た頃(昭和46年)はアカウミガメの上陸は数年に一回程度のごく稀な状態だった。しかしここ数年は、5~7月頃毎年のように、数頭の上陸跡が見られるようになった。ただし産卵を確認するのは稀で、多くは卵を産まずに帰っている。その理由は産卵穴が深く掘れないことにある。桂浜は砂粒が少し粗いために、途中で崩れて満足な深さ(約50cm)まで掘れず、何か所も掘り返した末、産卵を諦めて帰ってしまうのである。絶滅危惧種といわれ、数が少なくなっているはずのアカウミガメが、条件の悪い桂浜で多く上陸が見られるようになったのは、県内の海岸の砂浜がやせ細り、上陸を試みる場所さえなくなってきているせいではあるまいかと私は思っている。

513 (続)桂浜百景⑬初日の出

初子
  お月様は“がっかり”だがお日様のほうは大人気。桂浜は昔から“初日の出”見物で賑わう名所なのである。私の知る昭和40年代の後半から50年代にかけて、車社会の発達もあって、桂浜近くの海岸道路は午前3時頃には車が身動き出来ないほどの渋滞になってしまっていた。お正月も営業している水族館だが、朝の出勤は不可能な道路状況なので、私は除夜の鐘と共に出勤。徹夜で夜回りをしなければならなかった。寒風の中、夜明けを待つ人々が浜にゴロゴロ。油断していると木製のゴミ箱や餌用のトロ箱が持ち出され、浜で焼かれることもあった。そんな初日の出客も、昭和の終わる頃からは少しずつ減少し、最近では最盛期の三分の一ほどに減ってきた感じだが、それでも日の出後一時間以上は車の渋滞が続いているのである。

512 (続)桂浜百景⑫桂浜の月

月子
  よさこい節に“月の名所は桂浜”と歌われているが、これにはかなりの疑問符がつくと私は思っている。桂浜のシンボルである竜王岬の上に描かれた満月の図を見ることがあるが、その光景は明け方にしか起こらないのである。桂浜は東に開けた浜なので、仲秋の満月は浜の正面の室戸岬の上空に昇ってくる。そしてその満月は竜王岬とはかけ離れた天空を通過してゆく。高知には“がっかり名所”として全国的に有名な“はりまや橋”があるが、毎年仲秋の名月が東の空に昇るのを見るたびに「がっかり名所だな」と思うのは私だけなのだろうか?。
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