539 エコおやじの病歴①破傷風

イッテンアカタチ
  多分4歳の晩秋のことだったと思う。二つ年上のガキ大将のミーちゃん(314鳥かごより⑬ミーチャン)の采配で、数人が集まり度々かけっこをしていた。私はいつもビリだったが、その時だけは誰かに勝てそうだったので、セーターを脱いで腕まくりをして思い切り頑張ったら、ゴール直前でつまづいて倒れ左肘を大きく擦りむいた。泥が付いたが出血は少しだったのでそのまま手当もしなかった。その日は何ともなかったが、翌日の夕方には高熱が出た。母に背負われて夜道を近所の診療所へ。肘の傷のカサブタをピンセットでガリガリ剥がされた時の痛さ!。腕を押さえた看護婦さんが『鬼』に見えた記憶は今も残る。医師は「破傷風かも知れないのでペニシリンを打っておくから」と、お尻に太い注射をされた。65年以上前の経験だが、今も忘れていないのである。
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538 エコおやじの病歴(序)

アイゴ2
  “エコおやじの履歴書”は11年も書き続けているので、さすがにネタ切れで困り果てている。「もう終了にしたい」と言う私をイラスト係が「ダメ!」と言って許してくれない。アイデアが浮かばず、日記帳や過去のノートを引っ張り出して七転八倒!。締切に追い立てられる流行作家もこんな気分だろうと想像する。そして今回やっと捻り出したのが“病歴”である。健康だけが取り柄で、若い娘から“サイボーグ”などと呼ばれたこともある私だが、やはり71年の歳月を振り返るとイロイロな病気の経験も思い出される。記憶に残る4歳時の破傷風から昨年の腎臓結石まで、年代順(基本的に)に拾い出してみたいと思う。

537 漁港巡り⑰高谷(こうや)漁港

ハリセンボン2
  香川県西部の半島の付け根の小さな岬の先端にある漁港。若い頃地図を見ていて、偶然私と同姓の地名を見つけた。当時遠距離恋愛をしていて、このブログに何度も登場する私と同姓の彼女(⑪天国から地獄・164失恋⑬まさこ・272恩人⑦まさこ・343桂浜への道⑭彼女・⑮DNA)とルーツ探しに出かけたことがあった。船溜まりに漁船が少し、ドックもない小さな漁港の周りを散策し、クサフグやハリセンボンを見つけ、すぐにふくれっ面になる彼女に「一緒だね」とからかった記憶はいまもはっきり残っている。しかし帰りのバス停で、高谷(こうや)の表示を見て二人でガックリ!(私も彼女も高谷(たかや))。昨年のこと、近くを通りかかって寄り道をしてみたことがあった。新しいコンクリートの防波堤になっていたが、ハリセンボンやクサフグの姿を見つけることが出来た。そして半世紀前の、二十歳の彼女の面影に浸ることができたのであった。

536 漁港巡り⑯苦汁(くじゅう)湾

マヒトデ
  私の生まれた鳴門市鳴門町高島は、塩田の町だった。父は鳴塩(鳴門塩業合同組合)の事務員、二人の叔父も勤めていた。その製塩工場の荷役の船が出入りしていたのが苦汁湾である。小学生の頃、叔父に連れられて何度もグジュウ湾へ釣りにいった。ベラやカサゴがよく釣れたが、大きなマヒトデを釣り上げた60年以上前の記憶がはっきりと残っている。クジュウがニガリの意味だとわかったのは、中学生になってからだった。“鳴塩”は移転し現在の苦汁湾には数台のプレジャーボートが係留されているだけだが、私は年に一度の採集で鳴門に帰った時は、必ずここも覗く。やはりナマコやマヒトデが、ポツリポツリと見られるのである。

535 漁港巡り⑮亀浦漁港

青ナマコ
  渦潮で有名な徳島県鳴門市の、鳴門公園の直下にある漁港である。中学生の頃ここは私の遊び場だった。悪友の西村・江口らと小舟で沖へ漕ぎ出してタバコを吸ったこともあった。潮に流されて通りがかった漁船に救助され「小豆島まで流されるところだったぞ」と怒られたことは今もはっきり覚えている。現在は大鳴門橋のアクセス路の橋脚や新しい堤防も作られているが、港の奥の船溜まりは昔のまま。年に一度、実家前の桟橋で磯採集(99磯採集⑭高島渡船場)に行く時、助手に女の子がついて来た時は、鳴門公園の案内をするが、その時は亀浦港から出る観潮船にも乗る。だからその待ち時間に必ず船溜まりを覗き、ヒトデやのナマコを探すことは欠かさないのである。

534 漁港巡り⑭三津の青潮

チワラスボ
  プランクトンの大量発生による“赤潮”は有名だが、それに似た現象で、同様に魚介類が大量死する“青潮”というのがある。東京湾の青潮はよく知られているが、三津漁港でも毎年のように発生している。三津漁港は入り口が狭く奥が深いので、港奥の海水の入れ替わりにがあまり良くない。梅雨時の小潮回り時に長周期のうねりが重なると、港奥に溜まっているヘドロが巻きあがり、海水中の酸素不足が始まる。それをきっかけに底生生物や魚類がもがきはじめ、酸素不足が加速し水質が悪化。最後には港全体が“死の海”になる。その直前の魚がフラフラし始めた時が私の漁のタイミング。連絡を受けて急行。チヌやボラ・カサゴのほか、大量のハゼ類が獲り放題。珍しいチワラスボが獲れたこともあったのである。

533 漁港巡り⑬三津漁港

バンドウイルカ3
  室戸岬東岸のこの漁港こそが、私にとっての運命の場所!!。私の水族館人生の実質的なスタートと、それ以後の飼育員としての私を支え続けてくれた漁港なのである。昭和48年10月、この漁港にイルカが住み着いた。私は「イルカちょうだい」とおねだりに通い(345桂浜への道⑰イルカに通う)、その後桂浜に運ぶための訓練に約一か月通い詰めた。その間に大敷網漁に同乗させてもらい、マンボウと出会う。偶然にもそのマンボウの飼育に成功し(346桂浜への道⑱マンボウに挑戦347⑲奇跡のマンボウ)飼育員としての自信がついたのである。私と三津漁港とは、運命の赤い糸で強く強く結ばれていたのである。

532 漁港巡り⑫椎名漁港

タカベ2
  室戸岬の東岸の、南から数えて三番目の漁港。この漁港自体には、特記するような魚類などはいないのだが、外側に100mほどの長い防波堤がある。この堤防は知る人ぞ知る磯釣りポイントなのである。季節や潮回りにもよるが、色々な魚種が狙える。岸に近い付け根の磯周りではイガミ(ブダイ)。中ほどではサンノジ゛(ニザダイ)やグレ(メジナ)、そして先端のテトラポットの周りではベットウ(タカベ)やムロアジ、時によってはメジカ(マルソーダ)やスマ(ヒラソーダ)など、外洋性の回遊魚が狙えることも。私も随分通ったものである。

531 漁港巡り⑪日沖廃港

ハヤブサ
  室戸岬の東岸には、いくつかの廃漁港がある。磯の形を利用して石垣を築いて防波堤を作り、船溜まりにしてみたものの、度重なる大波に壊されたり、利便性が悪くなったりで利用者が無くなり、廃棄されたてしまった漁港である。そんな場所は釣り場としての条件(水深・足場・アクセス路など)が整っていることが多く、私も何度となく利用している。中でも日沖廃港は、50m余り高さも20m近い巨岩が自然の防波堤になっていて、その崖には毎年春先にハヤブサがやって来る。バードウオッチング(413バードウオッチング⑨ハヤブサ)が趣味の、若い娘にせがまれて何度も出かけた。磯釣りだけでなく、バードウオッチングも楽しませてくれる廃漁港なのである。

530 漁港巡り⑩高岡漁港

マツダイ
  室戸岬を東に回り込んだ最初の漁港である。磯の形を利用した古い港の外側に、昭和40年代に巨大な防波堤を築いて作った新しい港に囲まれている。玉網を持って見回るとハリセンボン・イシガキフグ、6月にはソウシハギ、8月にはマツダイなど。ミノカサゴやヘコアユをゲットしたこともある。古い港のほうにはタコクラゲが発生することもあれば、ゴマモンガラがたくさん獲れたこともあった。玉網一本で、ミニ水族館が出来るほどの獲物に出会うこともある漁港なのである。

529 漁港巡り⑨加領郷漁港

ツバメウオ3
  室戸岬にほど近い羽根岬の根元にある、古くからの良港である。羽根岬には“土佐日記”で有名な紀貫之が国司を退任する時の帰り道、風待ちをした港で詠んだとされる句碑が建っている。しかしそれは年代を考えると、句碑のすぐそばの羽根岬漁港ではなく、こちらの加領郷漁港と思われる(私見)。この漁港には何故かツバメウオが多い。7月にここに来ると必ずと言っていいほど幼魚が数尾確保出来る。また夜釣りで、オオスジイシモチがよく釣れる。隣の新港のドックには、毎年春先にイトアオサが繁茂する。植物食の魚(ニザダイ・メジナ等)の他、サザエやウニの餌として重宝するので、たくさん集めて冷凍ストックしているのである。

528 漁港巡り⑧手結(てい)漁港

アカエイ
  桂浜から東へ30km。ここは40年余り前、恩師の採集の手伝い(165定置網漁)に通った漁港である。中型の定置網があり、水族館向きの魚がたくさん手に入った。この漁港の周りは砂地なので、秋になるとニベの幼魚が玉網ですくえた。少し深場(2~3m)で泳ぐとアカエイもいて、砂に潜り目玉だけを出している。大型には手が出せないが、10㎝ほどの当歳魚なら玉網で伏せればいい。この漁港は土佐藩の家老・野中兼山が築いたことで知られ、内側の旧港には当時のままの石垣も残っている。

527 漁港巡り⑦足摺港

ミナミハタンポ
  足摺岬から西へ20km余り離れているのに“足摺港”の名前がついているのは、長距離フェリーの寄港地として新たに作られたせいだと思う。だからここは“漁港”ではない。天然の大きな湾の入口に防波堤を築いた良港だが、残念なことに利用者不足で航路が廃止になってしまった。ここの巨大な防波堤は釣り場として人気があり、私も何度も夜釣りに出かけ、ハタンポやアカマツカサを採集している。助手に連れて行った次男が5m下の海に落ちたこともあれば、バッテリー切れで困った(439エコおやじSOS③足摺港にて)こともあった。また堤防の内側にはオヤビッチャやベラ類がたくさん釣れる桟橋もある。

526 漁港巡り⑥清水漁港

タコクラゲ
  足摺岬の付け根にある清水漁港は、入り口が100mほど奥行きは500m余りの細長い湾の奥にあるので、台風時でも太平洋の大波がほとんど届かない良港である。船溜まりの岸壁にはタツノオトシゴ(タカクラタツ)がポツポツ見られるので、採集の帰り道などには、必ず立ち寄って覗いてまわる。しかし何よりこの漁港では、八月末になるとタコクラゲが大発生する。温暖化による海水温上昇で、20年ほど前からボツボツ現れはじめ、10年余り前からは毎年欠かさず採集に行くようになっているのである。

525 漁港巡り⑤池の浦漁港

クロホシイシモチ
  桂浜から西へ30kmほど。横波半島の中ほどにある外洋に面した良港である。横波半島は山ばかりなので、昔は陸路はなく船以外のアクセスはなかったらしいが、昭和48年にスカイラインが開通してからは、当時のブームと重なって磯釣りのメッカとなった。ここでは小型の定置網やイセエビ狙いの底刺し網が盛んで、数人の漁師が水族館向き(いろどりがきれいだが市場では売れない)の魚を畜養してくれている。船溜まりではゲンナイ(クロホシイシモチ)がよく釣れるし、岸壁を覗いて回るとハナウミシダがよく見つかる。

524 漁港巡り④宇佐漁港

コトヒキ
  桂浜から西へ10km余り。浦ノ内湾の入口にあり、いくつもの船溜まりが並ぶ大昔からの良港である。古い港のせいかどうかは不明だが、ここは時々タツナミガイが大量に発生することがある。また新しく付け加えられた船溜まりでは、六月にはゴン玉(ゴンズイの幼魚の群れ)。九月にはチョウチョウウオ類がすくえる。釣り採集ではチヌやコトヒキなど魚種も多い。中でもゲンナイ(クロホシイシモチ)は、毎年のように狙って夜釣りに通っている。また湾の入り口近くには、潮干狩り場として有名な“天皇洲”と呼ばれる干潟がある。

523 漁港巡り③春野漁港

カエルアンコウ
  桂浜から西へ5km余り。内陸に入り込んだ良港の外側に、海岸整備を兼ねて大きな防波堤を作った新しい漁港である。コンクリートの岸壁にカキなどの付着生物がまだ少なかった頃(20年ほど前)玉網採集がやりやすく、夏場にかけてチョウチョウウオ類の幼魚を求めて随分通った記憶がある。内側の旧港には浅い砂地もあり、ハゼ釣り場として有名だし、船溜まりの岸壁にはカエルアンコウが多いとの情報もある。近場であてになる漁港なのである。

522 漁港巡り②御畳瀬漁港

タカクラタツ
  “みませ(御畳瀬)見せましょ、裏戸(浦戸)を開けて”と“よさこい節”に歌われているように、浦戸湾の入口からほんの少し入った所の漁港である。現在は行われていないが“近海底曳き網漁”が盛んだった頃は、多くの漁船がこの港を基地にしていた。40年以上も前のことだが、早朝この漁港に通いつめたことがあった。底曳き網漁の網の中から魚を選別しているおばちゃん達の所を回ると、大量のゴミに混じって生きたエビやカニ・タツノオトシゴがみつかることも。また非常に珍しい魚に出会うこともあり、新人飼育員時代に随分勉強させもらった漁港なのである。

521 漁港巡り①浦戸漁港

トビハゼ
  浦戸湾の入口。桂浜水族館から1km余りの、一番近い漁港である。地元なので釣り人からはチヌやボラ、延縄漁師からはベラやカサゴ、底引き網の船からはクルマダイやエビスダイなどを貰っている。この漁港では、夏場の夜釣りでウリボウ(イサギの幼魚)を100尾以上手に入れたこともあるし、夜間の玉網採集でチョウチョウウオをだいぶ集めたことも。また台風明けに1㎝ほどのサザナミフグの幼魚がたくさん採れた年もあった。他にも、土佐湾では絶滅したと思われていたトビハゼが、10年ほど前から姿を現している。なにしろ近いので、度々お世話になるお気に入りの漁港なのである。

520 漁港巡り(序)

マナマコ
  飼育魚類を自家採集する上で、漁港巡りは欠かせない。近隣をはじめとして、機会あるたびに漁港を覗く。私の車(軽ワゴン)には、釣竿・玉網のほか、50ℓ余りの水槽とエアポンプが常備されている。通りがかりの漁港の船溜まりを覗くと、色々な魚を見かける。たいていは存在を確認するだけなのだが、中には玉網で簡単にすくえる魚も。また、その場で手に入るヤドカリなどを餌にして釣れる魚や、ナマコ・ヒトデなどを見つけた時も、つるべ(ロープ付きのバケツ)で港の水を汲んで家まで。自宅の水槽で翌日の出勤時まで一休み。このようにして“いつ・どこの漁港で・どんな魚が…”との蓄積が私の財産なのである。今回はそんな私のお気に入りの漁港(独断と偏見がいっぱいだけど)を紹介してみたいと思う。
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