150 玉網採集⑫イサリ

玉網採集の醍醐味は、なんといっても“イサリ”だろう。
夜間の干潮時に、ライトをつけて漁港や干潟を回る漁法である。
昔(昭和30年頃まで)はアセチレンランプが使われていたが、
今では明るいヘッドランプがある。
イサリ火を見て逃げる種類もあるが、大部分の魚は光に対する反応がニブい。
ライトを当ててもあまり動かず、
玉網で簡単にすくうことが出来る(100磯採集⑮夜間採集の恐怖)。

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ヒラメやハゼ・ブダイ・チョウチョウウオの仲間も、
見つけ(視力の良さと経験が必要)さえすれば、獲り逃すことはほとんどない。
その他、場所によってはタコ・ガザミ・イセエビも!
ある時は30cmほどのアカメを玉網ですくったこともあった。

桂浜水族館公式ホームページ掲載 2010年01月16日(土)
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149 玉網採集⑪ギンユゴイ

ギンユゴイは稚魚の時は磯で見かける(94磯採集⑨ギンユゴイ)が、
5cm以上になるとテトラポットの間にいることが多い。
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小さいシカケで釣り採集をしていたが玉網で獲れる場所を見つけた(昭和60年1月頃)。
桂浜の竜頭岬の下の防波堤の先端に沈められたテトラポットの中である。
弱いけれど波長の長い波がテトラの間に打ち込み、
ゆっくり引いてゆく時の流れを玉網で受けると、
ごくたまにカエルウオやギンユゴイが入ることがある。

真夜中にそこへ行くと、ギンユゴイがひと波ごとに1~2尾入ることがわかった。
波や潮汐を読んで夜中に出かけると、1時間ほどで20~30尾獲れたこともあった。
しかし数年後、大きな台風にテトラポットが流され、私の採集場所が消滅してしまった。


桂浜水族館公式ホームページ掲載 2010年01月09日(土)

148 玉網採集⑩オニカマス

夏場、漁港などで見かける3~5cmのオニカマスの幼魚をねらうには、
大口径の玉網が必要になる。

網地はレースのカーテン。
口径は50cm以上、出来れば1m近いのが望ましい。

見つけたら3m以上離れた所へゆっくり玉網を沈め、
ゆっくりゆっくり近づけてゆく。
この時必ず頭の方向から追わなければならない。

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うしろから玉網を近づけると、網の動きに合わせてゆっくり逃げ続ける。
前方からだと、少しづつあとずさりするので、
岸壁の隅などにゆっくりゆっくり追い込む。
完全に網の中へ入るまで“ゆっくり”追わなければならない。
こちらが少しでもあせった動きをした瞬間、オニカマスは視界から消えてしまう。


桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年12月26日(土)

147 玉網採集⑨サザナミフグ

台風が過ぎ去ったあとの、漁港の船だまりなどを回ると、
物かげになるような所に、たくさんのゴミに交じって、
1cm余りの真っ黒い丸いものが浮んでいることがある。

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これがサザナミフグの稚魚である。
本人はゴミに擬態して、かくれているつもりなので、
玉網を近づけても逃げる気配もない。
しかし採集するほうも、かなり慣れていないと、
魚とは気付かない!
実習生を助手につれて行った時
「あれ、あそこ、よく見ろ」と云っても分からず。
玉網ですくって見せてやらねばならなかった。

年にもよるが、多い時には1つの漁港で、
20尾ほども獲れたことがあった。
南方系の魚なので、桂浜では暖房が必要となる。
背部の白点と腹部の縞模様の、きれいなフグである。


桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年12月19日(土)

146 玉網採集⑧ゴンズイ

毒棘で知られるゴンズイ(68釣り採集⑫ゴンズイ)は
大きく(20cm以上)なければ単独行動もするが、
原則的には群れで生活している。

成魚の群れは玉網を見ると散るように逃げるが、
稚魚の群れは散らない。
小学生の頃には“海のおたまじゃくし”と呼んでいて、
子供でも玉網で簡単にすくうことが出来た。
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6月頃に漁港などを回れば稚魚の群に出合う。
目の細い玉網1本で100から1000尾ほどの群れを
そっくりすくうことも出来る。
ただし飼育のほうはあまりうまくゆかない。
エサはよく食べるのにだんだん痩せてきて、
バタバタ死んでゆく。
大きくなるまで残るのは少ない。


桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年12月12日(土)

145 玉網採集⑦クロメジナ

釣り人はメジナとクロメジナの近縁の2種類を
共に“グレ”と呼んで親しんでいる。
メジナは2月、クロメジナは4月頃に産卵するので、
5月頃に私が採集するのはクロメジナのほうである。
体長1~2cmで、漁港の岸壁などに群れている。
小さいので、玉網はレースのカーテン地で作ったものを使うが、
水の抵抗が大きく、追っかけてもつかまらない。
だから2人がかりではさみうちにするのが良い。
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しかし採集は1人で行くことが多いので、1人で2本の玉網を使う。
まず大口径の玉網で、ゆっくり岸壁の隅へ追い立ててゆき、
群れの密度が上がった所へ捕獲用のレース地の玉網をザブンと突っ込む!
ただしもうひとまわり成長すると、この方法では獲れなくなる。
5cmぐらいまで育つのを待って、小さいシカケでの“釣り採集”に切りかえである。


桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年12月05日(土)

144 玉網採集⑥アオリイカ

7月頃、漁港などで1~2cmの黒っぽいものが、
ポツポツ浮んでいることがある。

ゴミのように見えるが、玉網を入れると、突然パッと2つに分裂する。
吹き出したスミを残して本体は1mちかく移動している。
これが生まれて間もないアオリイカの仔である。

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11月頃には500g位。
春には1.5㎏ほどになるものもある。
高知ではモイカと呼ばれ、高級食材なので擬餌や生き餌での釣り対象になっている。
イカ類のほとんどは視力が非常に良いと云われているが、アオリイカも例外ではない。
玉網では手が出ないと思っていたら、ある時「桂浜よ、モイカのすくい方、教えちゃるぞ」と
室戸の漁師が声をかけてくれた。
玉網を深く沈め、遠くから真下まで持ち込み、
ゆっくり上げてゆくと彼等は全く気付かぬまま玉網の中に入ってしまった。
これにヒントを得て、私はさっそく直径1mほどの四ツ手網を作り、
モイカの採集と飼育に力を入れた(昭和55年頃)


桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年11月28日(土)

143 玉網採集⑤ハリセンボン

ハリセンボンは、ウロコが変形した針をハリネズミのように体中にまとい、
危険を感じると体を膨らませて、針だらけのボールに変身する。

針の数は千本にはとどかないが、400本ほどと云われている。
大きな目や口もとが人の顔にも似ていて、愛嬌がある。
水温が低い1月から3月頃を除けば、いつでも獲れる。
漁港の船だまりのロープの影や浮玉の下に隠れている。
泳ぎは遅いので、目の大きい玉網を使えば簡単である。
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1つの漁港をぐるっと回れば、少なくとも3~4尾、多
い時は20尾余りも獲れることもある。
ただし、すくった時に針のボールに膨らんでしまって、
ネットの目にからみつき、はずすのに苦労することが多い。
針は大変するどく、充分用心してかからないと、ひどい目にあうこともある。

桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年11月21日(土)

142 玉網採集④イトヒキアジ 

イトヒキアジは、幼魚の時、
菱型の体の背鰭とシリビレから、5・6本づつの長い糸を伸ばしている。
これが名前の由来である。
この糸は体長5cmほどの時がいちばん長く40~50cmにも伸びる。
しかし満1才で25cmほどになった個体にはほとんどなくなり、
他のヒラアジ類と見分けがつかなくなる。
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6月半ばの頃になると、係留された漁船の下などに、
2~3尾の群れが見られることが多い。
長い糸は多分、自分を大きく見せるためと思われるが、
そのせいで泳ぐスピードが遅くなり、私の玉網につかまってしまう。
しかしやはりアジの仲間なので、1人ではちょっとむずかしい。
1人が目の大きい玉網でコーナーへ追い込み、
もう1人が小さい目の網で待ち受けていれば、なんとか捕獲することが出来る。
ただし玉網ですくった時、肝心の糸がもつれてしまって、
ダンゴ状になることが多く、展示価値を下げてしまう。

桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年11月14日(土)

141 玉網採集③ツバメウオ

ツバメウオは毎年8月になると、漁港の船だまりの隅の、ロープの影に浮んでいる。
色も形も枯れ葉そっくりに化けて、水面近くをただよっている。
毎年その年に生まれた当オ魚なのに、必ず同じ場所に浮んでいる。
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早い年は7月初旬。遅い年は8月中旬。
1尾だけの年、ペアの年、数尾の群になっている年もある。
魚体が小さい時(2~3cm)は、玉網を近づけても全く逃げない。
しかし10cm近くに生長した個体は、1人では獲りにくくなる。
玉網で追うと、つかまりそうなギリギリの所でかわしてしまう。
その時、助手が反対側から追えば、わけなく獲れる。
それでも9月になるともうダメ。
まだ幼魚の型をはしているが泳ぎはちがう。
玉網のスピードではもう追いつかなくなっている。

桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年11月07日(土)

140 玉網採集②チョウチョウウオ 

漁港の岸壁を歩くと、イロイロな魚が見える。
水族館向きの魚も多いので、手を出したくなるが、
玉網を見たとたん、深みや物かげにかくれてしまう。
ところが7月頃、その年に生まれたチョウチョウウオやニザダイなどの
1~2cmの稚魚は少し違う。
玉網をゆっくり沈め、ゆっくりゆっくり近づけてゆくと、全く警戒心を示さない。
彼等はまだ玉網の恐ろしさを知らないのである。
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逃げ道をふさいでおいて、別の網でゆっくり追えば、
数尾の群れをすべて追い込むことが出来る。
ただしこの方法は1度しか通じない!
1度でもこの網から逃れた経験を持つ稚魚が交った群は、
パッと消えるように逃げてしまう。
7月はじめ頃には、玉網を持って漁港回りを繰り返していたが、
同様の方法でチョウ類を獲る熱帯魚マニアが増えて、
成果がとぼしくなってしまった(昭和58年頃)。


桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年10月31日(土)

139 玉網採集①タマアミ作り

お魚採集のアイテムとして便利なものの1つに、
玉網(タマアミ)がある。
手軽ではあるが、お魚達もおいそれとはつかまってくれない。
河口や砂浜にいるハゼなどは、
上からかぶせれば比較的簡単に獲ることは出来るが、
磯や漁港の岸壁などの魚はそうはゆかない。

かくれる場所もたくさんあるし、動きも速い!
だから玉網のほうも、場所と相手(魚種)によっていろいろな種類が必要になる。
網目が小さいと水の抵抗を受けて速く追ふことが出来ず、目が大きいと、
ふせ込んだつもりが、その目を抜けて逃げられる。
用途に応じて大玉(直径1mほど)から、追い出し用(10cmほど)。
丸や四角。あの岸壁専用、待ち受け用、追っかけ用等、
いろいろな玉網を次々と作ったものである(昭和50年頃~)。

桂浜水族館公式ホームページ掲載 2009年10月24日(土)
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