316 鳥カゴより⑮浮島

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旧館時代は角度が悪くて見えなかったが、
昭和59年に移転新築された現在の水族館の切符売場からは、
正面に80km先の室戸岬が見える。

新築当時は、梅雨期や春霞の時期以外は必ず見えていたが、
中国の経済発展に伴ふ大気のよごれのせいと思うのだが、
最近では低気圧の通過後に南方からの空気が入り込んだ時以外は、
ほとんど見えなくなってしまったようだ。

室戸は私の水族館人生の原点(⑮イルカ入館⑯300円)みたいな所なので、
入館者の少ない冬場などのヒマをもてあます時は、
双眼鏡での室戸ウオッチングが楽しみだった。

気温が下り、水温がまだ下がっていない初冬には、
蜃気楼の一種の“浮島”状態になった室戸岬がよく見られた。

鳥カゴ(切符売場)から見える風景は、
日本経済や地球環境と同じく、だんだん霞のかなた!
先が見えなくなってしまったようである。

※追伸 イラスト兼入力係が、体調不良につき
“もったいないおやじ”のブロクをしばらくお休みさせて頂きます。
みなさん再開をお楽しみに!





桂浜水族館公式ホームページ   2013年06月22日(土) 掲載

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315 鳥カゴより⑭ロリロリウォッチ

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私は若い頃から自分が“ロリコン”であることを自覚していたが、
当然のことながら他人には知られないように、注意をはらっていた。

しかし隠しておくことは、かなりしんどいことだし、
もしも疑念を抱かれて、私が気付かぬうちに周辺に知られて、
裏でササヤカれたりした時のデメリットの大きさを考えて、
20年ほど前から「私はロリコンの変態」と公表することにした。

切符売場の双眼鏡で「あの子可愛い、抱っこナメナメしたい」などと
言いながら堂々とロリちゃんウォッチングをするようにしたのである。

すると女子従業員達は、幼児に関連する犯罪などが報道されると
「高谷さん、やってないでしょうね。アリバイはありますか」などと冗談を言う一方、
「可愛い子がいるよ」と教えてくれるようになった。

両親と共に切符売場に来た女の子に「こんにちは」と声をかけると、
その子が「こんにちは」と言ってニッコリしてくれた日は、
その日1日幸せな気分でいられるのである。



桂浜水族館公式ホームページ   2013年06月15日(土) 掲載

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314 鳥カゴより⑬ミーチャン

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顔は思い出せなくても、耳の奥に深くすり込まれた“声”は忘れないものらしい。

数年前のことだが、切符売場の前に立った夫婦に「いらっしゃいませ」と声をかけると、
その男が突然「マーチャン」と呼んだ。

私はそのハスキーボイスを聞いたとたん、反射的に「ミーチャン」と答えていた。

ミーチャンは私の生家の2軒隣の2歳上の兄の友達で、
地区のガキ大将だったミノルさんである。

幼児期から中学まで、裏山をかけ回り、
チャンバラごっこでずい分イジメて(可愛がって)くれた人だった。

私の脳内では、一気に50年間のタイムスリップが起ったようであった。
隣にいた奥さんは「マーチャン」「ミーチャン」のタイミングとひびきに、
大笑いだったのである。




桂浜水族館公式ホームページ   2013年06月08日(土) 掲載

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313 鳥カゴより⑫どちらさま 

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私は人の顔を覚えるのが苦手で、
それが水族館の飼育員と云ふ仕事を選んだ理由の一部にもなっている。

切符売場にいると、相手は私知っているようだが、
私は思い出せないと云ふ場面に遭遇することがある。

半年ほど前に実習に来ていて、可愛がっていた女の子など、
名前は思い出せなくても、顔に見覚えがあれば適当に対応できるのだが、
全く思い出せなくて「どちらさまですか」と聞かねばならないことも多い。

高校の同級生とか大学の先輩など、なつかしい人が時たまおとずれる。
先月は初老の男が私の顔を見るなり「マーチャン」と声をかけてきた。

それは私が鳴門にいた18歳までの呼び名だったので、
50年前の記憶をたどったが思い出せず「どちらさま」になってしまった。

1学年下だが、中学・高校の水泳部で五年間一緒に泳いだ男で、
鳴門の様子をイロイロ話していってくれた。




桂浜水族館公式ホームページ   2013年06月01日(土) 掲載

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312 鳥カゴより⑪入館料

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私が入社した昭和46年には入館料は大人300円だった。

当時はインフレが進んでいたので、
400円500円と値上げ。

そして昭和59年の新築オープン時は
大人800円、中・高生500円、小学生400円、幼児200円に設定された。

この時は中・高生以外は2の倍数なので暗算が楽だった。
その後950円に値上げした時には困った。

50円の端数つきの暗算は私には不可能である。
大人2人小学生1人幼児1人の組み合わせがいちばん多いので、
セットで2500円、小学生2人ならプラス200円、
幼児2人ならマイナス200円というふうに計算をしていたが、
人数が増えると計算機のお世話になることが多かった。

現在は大人1100円、中・高生600円、小学生500円、幼児300円なので、
大人2人小学生1人幼児1人のセットから増減する方法で暗算はしやすくなっている。

しかしデフレの関係で割高感があり、
各所配置した割引券の利用率が増加していて、
二重計算しなければならないことも多いので、神経が疲れる仕事ではある。






桂浜水族館公式ホームページ   2013年05月25日(土) 掲載

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311 鳥カゴより⑩私が私が

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数人連れの家族が来て、
その中の1人(たいていは中年以上のおばさん)が小走りに切符売り場へ。

その後を追うようにもう1人。

先の人が「私が払います。えーっと人数は…」

その瞬間後から来た人が、サッと1万円札を出して「これで取って」。

すると先の人は、私が受け取って文鎮でおさえたそのお札を取り返し、
その人に押しつけて自分の財布を広げる。

私としては、先に人数のほうが知りたいのに、
目の前では「私が」「いえ私が…」と押し問答をくりかえす。

このような光景はたいてい年末・年始に見られる。

お里帰りした若夫婦と、その子供と共にやって来た両家の、
ジジ・ババのグループによって引きおこされる、お正月の風物詩なのである。






桂浜水族館公式ホームページ   2013年05月18日(土) 掲載

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310 鳥カゴより⑨だんまり

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最近ふえてきているのが、
お金だけ出して何も言わない人。

これはほとんどが若い男性である。

1人分の1100円とか、
彼女の分と合わせて2200円を出してくれたら
「ありがとうございました」と切符を切れるが、
3000円出されると、人数を確認しなければならない。

子供が近くにいる時など、
小学生か幼児かの区別が必要だし、
その子が連れなのかも聞かなければわからない。

だからこちらから「お1人ですか」と声をかけて、
無理にでも口を開いてもらうのである。

“見ればわかるだろう”と勝手に思い込んで、
無言で済まそうとする、若い男はかなり多く、
これはコミュニケーション能力が落ちてきている証拠の1つであろうと考えられる。

そんな人々を相手にしなければならない切符売りは、
私の一番やりたくない仕事の一つなのである。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年05月11日(土) 掲載

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309 鳥カゴより⑧あと出し

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ふだん、もぎり嬢なしで、
1人で切符売りをしているので、
購入者にその場で半券を切り離して渡さねばならない。

そうすると困るのが“変更”である。

「大人で買ったけど、この子は高校生」とか
「まだ2歳だけど幼児券を買ってしまった」など。

すぐその場で気付いて返してくれたら、
セロテープで貼ったりして、次の客に回すことが出来る。

しかし一旦入館して、しばらくしてから、
クシャクシャにした半券で変更(返金)を申し出る人や
「割引券を出し忘れてた」と云い出す人には困ってしまう。

はいはいと返金したりすると、
その分が集計時に“不足分”となってしまう。

怒り出す客も多いが、割引券の“あと出し”については、
ていねいにお断りし、返金に応じるわけにはいかないのである。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年05月04日(土) 掲載

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308 鳥カゴより⑦再入館 

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昔、映画館や劇場などの入場券には“入場一回限り”と記されているものが多かった。
半券を切り離したものは無効と云ふのが常識だったのである。

しかし昭和の終り頃になると、大型のテーマパークなど、
少しずつ“再入場可”の所も出はじめていた。

その頃から当館でも、使用済半券で入場しようとする人が現れるようになって、
切符売場の私を悩ませてくれるようになってきた。

それに追い討ちをかけたのがNHKの“ためしてガッテン”である。
小野アナウンサーが「動物園や水族館ではどこでも再入場出来ます」と発言。

これを見ていた私は「うちのような冷細業者は入場管理がむずかしいので、
こんなこと言われたら困る。NHKに抗議の電話をする」と女房に云ふと
「もう手おくれよ!」と云われた。

案の定、それ以後当然のように再入館しようとする人がふえてきた。
その日に切符を買った人が再入館するのはいっこうにかまわないのだが、
その中にほんの少しだけまじり込む、不正入館者に注意を払わねばならず、
切符売り場では神経をすりへらすのである。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年04月27日(土) 掲載

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307 鳥カゴより⑥誰の子 

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数組の家族が重なって来た時、
切符を買う親のすぐ横に幼児がいるのに
「大人2人小学生1人」と幼児券を買ふ気配がないので
「おそれ入りますが3歳から幼児料金が…」と云ふと
「この子はちがう」と云われてしまうことがある。

経費節減のため、もぎり嬢を置けず、
1人で入館者を管理しなければならない冷細水族館の切符売りは、神経をすりへらす。

エントランスを来る途中をよく観察しておいて、
あの子はこの組、この子の親はあれ、と常に目を光らせていても、
数組が団子になったり、また従兄弟どうしのような組は見分けられないことも多い。

自分の連れている子供の数を知らない親はいないはずだが、
4・5歳の子が料金所を無視してサッサと入ってしまった時など、
その子の分を払わない親が、ごくたまに存在するので、
神経をとがらせていなければならないのである。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年04月20日(土) 掲載

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306 鳥カゴより⑤以上と以下

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当館の入場料は、“3歳以上”となっている。

永年幼児を見慣れているので、
3歳以上か未満かは、ひと目でわかるつもりではあるが、
証明書はないので、親の申告をそのまま認めねばならない。

4・5歳に見える子を“3歳未満”と言いはる親もいれば、
小柄で幼く見えるので「3歳未満ですね」と声をかけると
「3歳になっています」との返事があることもある。

公立の施設やバスなどでは、幼児は無料の所もあるので、
最初から幼児料金を払うつもりのない人もいるが、
それよりも問題なのが“3歳以上”なのである。

3歳以上には3歳が含まれているが
「この子は3歳以下(3歳が含まれる)です」と云う。

わかっている人も多いが、どう見ても4つ以上に見えるので
「いくつですか」と聞くと「3歳」との答え。

「恐れ入りますが、3歳から幼児料金を頂いています」と云ふことになる。




桂浜水族館公式ホームページ   2013年04月13日(土) 掲載

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305 鳥カゴより④万札ばかり

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数人連れのグループが来て、
代表者が全員の切符を買ってくれると楽なのだが、
1人づつ別々に買ふことも多い。

そんな時みんなが次々に1万円札を出して、
困らせてくれることがある。

常におつりには困らないように用意はしていても、
5人が続けて万札を出し8900円(入館料1100円)のおつりを出すと、
さすがに銭箱内のバランスが狂ってしまう。

せめて「細かいのはお持ちじゃないですか」と言っても、
みんなサイフの中は同じようである。

このようなグループは若い娘に限定される。

一緒に銀行へ行き、一緒にバスに乗り、一緒に泊まって、
同じおみやげを買うので、サイフの中は、
みんな一緒なのだろうと想像は出来るが、
切符売場の私には、大迷惑なのである。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年04月06日(土) 掲載

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304 鳥カゴより③小銭さがし

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入館者を観察していて、
家族連れの場合は、たいてい主婦がサイフを開く。

アベックの場合で男が切符を買ふのは、
男がデートに誘い出した組。

女性が買ふのは既婚の夫婦。

2人が別々に買ふのは、
真剣なおつき合いを考えている、“本命”どうし。

もちろん例外はたくさんあるが、大体そんな感じである。

それとは別に、男が切符を買ふ時は、
万札を出しておつりを受け取ることが多いが、
主婦の場合は必ずと云っていいほど、小銭を出してくる。

特に中年以上の“おばさん”は、
サイフをひっくり返してさがしまわる。
うしろに行列が出来ていてもおかまいなし。

さがした末に、「おとうさん100円ない?50円でも」
私なら女房のそんな声は無視するが、
このタイプのおばさんの亭主は、言われるままに自分のサイフを開く。

こちらはいつでもおつりが出せるのだが
“おばさん”が納得するまで、イライラしながら待たねばならないのである。







桂浜水族館公式ホームページ   2013年03月30日(土) 掲載

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303 鳥カゴより②おつり銭

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入館者が多いと、おつりが大変である。
新築オープン当時は、大人800円だったので、
アベックが来ると100円玉が4コ消える。

もちろん小銭を出す人もいるが、五千円棒(100円玉50枚)が次々と消えてゆく。
連休前など、あらかじめ予想してつり銭の用意をしておくのだが、
それでも心細くなってくるようなこともあった。

五千円札や五百円玉は、もしもの時は代用がきくが、
100円玉を10円で代用するのは不可能である。

不足が心配になるのは連休などなので当然銀行はお休み。
往復1時間ちかくかかる市内のパチンコ屋まで、
渋滞を避けてバイクで両替に走ってもらったこともあった。

現在では、大人1,100円なので
100円玉の減り方はあまりひどくはないし、
何より入館者の減少で、急におつりが心配になるようなことは、
ほとんどなくなってしまっている。




桂浜水族館公式ホームページ   2013年03月23日(土) 掲載

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302 鳥カゴより①大入

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入場券販売で記憶に残るのは、
何といっても新築オープン(昭和59年3月)の
春から夏休みまでと高速道路が高知(正確には南国市)まで
開通した年から2年余りである。

オープン初日(3月21日)。
朝9時には50人の行列。

春休み中のこともあって、
連日の大入で館長も胸をなでおろした。

しかしオープン効果は夏休みまで、
その後急速に入館者が減少し、先行きに不安を感じ始めた頃、
高速道路が南国市まで到達し、本州と1本につながった。

平成4年2月2日の日曜日、例年なら300人ぐらいのはずが、
1000人以上押しかけた。

春休みも大入で、5月の連休には大渋滞が起り、
日没のころにやってきた家族連れは
「桂浜へ4kmの標識から6時間かかった」。

当館では屋外照明がないので「もう閉館です」と云ふと
「子供を納得させたいから、ちょっとでもいいので入らせて」と次々に入館。
それが10時過ぎまで続いたこともあったのである。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年03月16日(土) 掲載

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301 鳥カゴより(序)

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人間嫌いの私は、大勢の人々と顔を突き合わす仕事に違和感を覚えて、
大阪の中央卸売市場を退職。
お魚や動物達とだけ付き合うつもりで、水族館を選んだ。

しかし桂浜のような小規模水族館では“飼育員”とは云っても、
お魚の世話だけでは済まされなかった。

館長自ら「わしは館長兼小使い」と云い
「お前も副館長から小使いまで、なんでもやってもらう」と云われた。

そして実際館長家の“召し使い”から
趣味(植木盆栽)の手伝い(⑥飼育員の仕事)を含め、
あらゆる雑用をやらされた。

中でもイヤだったのが人間が相手の入場券販売だった。

旧館時代の切符売場は、1m四方のせまい空間で“鳥カゴ”と呼ばれていた。

手が足りない時には「高谷君、今日はカゴの鳥になって」と云われて、
1日中とじ込められた。

それが土・日・祝日の私の仕事として定着し、
40年間も続いているのである。

今回はこの“鳥カゴ”から見た人間模様や、
私の40年間などを報告してみたいと思う。




桂浜水族館公式ホームページ   2013年03月09日(土) 掲載

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