52 新築工事⑪不良箇所

2008年02月23日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載 

3月20日の新築オープンから1ヶ月。
まずまずの入館者もあり、ホッとしたのもつかの間、突貫工事による不良箇所が、次々と発覚した。
一番は、舗装に使用したインターロッキングブロックのガタつき!
雨の翌日には、必ず手直しが必要になった。
その他、水槽の水漏れ、冷房水槽の結露。
配管、配線の不良。
それに設計図の検討不足と思われる、使い勝手の悪さ。

館長代理に、内緒で進めた工事(47.内緒でGO)の不具合も出てきて、
私はオンボロ水族館の時よりも、もっと多くの雑用に追い回される日々が続いた。

(昭和59年4月)

追伸
 エコおやじの履歴書は、本日を持って当初予定した1年を迎えました。調子に乗ってますので、あと1年ぐらいは続けようと思っています。
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51 新築工事⑩引っ越し騒動

2008年02月16日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載 

オープンが近づき、忙しいあい間をぬって、飼育動物の引っ越しを始めた。
旧館から150mほどの距離を水槽に入れて運ぶのは、かなりの時間と手間がかかる。
大型のブリやクエ、それに海亀など苦労の末に移し終えた翌日のこと。
新聞が“引っ越しの写真を撮りたい”と云ってるとの、
館長代理の指示で、もう1度1mのクエをタンカに入れて運びなおし。
ところがその翌日、今度は“テレビ局が映像を”と云ってきたとか。
私も他の飼育員もブチ切れて“絶対にイヤだ”と宣言した。
しかし館長代理の大声の要求はハネつけたものの、
館長に静かに説得されて、仕方なくクエと海亀の引っ越しをやりなおすことになってしまった。

(昭和59年3月)

50 新築工事⑨ポンプ室

2008年02月09日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載 

井戸が近くに掘れないことが分かり、ポンプ室の場所が、大きな問題に浮上してきた。
ポンプは、押し上げは平気だが、吸い込みのほうは、水面から6m以内で設計しなければならない。
新館から、150mも離れた場所に、ポンプ室を作らねばならなくなったので、根本的な設計変更である。
高知市の方針で“砂浜には建物を作らない”との大前提と
“地下に埋め込むのは不可能”との建設会社の設計部との、おりあいもつかない。
結局工期の不足で、オープンに間に合わなくなるので、
さしあたってポンプ室をあきらめ、応急処置として、水中ポンプで対応することになってしまった。

(昭和59年2月)この応急処置は、現在もそのまま。ポンプ室は、今も懸案のままである。

49 新築工事⑧新井戸

2008年02月02日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載

 飼育水は旧水族館の井戸だけでは足りず、あと2本新しい井戸が必要だった。
適地が見つからなかったにもかかわらず、館長代理は井戸堀り屋さんに無理やり発注してしまった。

慎重な人なのに、この時だけはよほどあせっていたのだろう。
その場所は最初から不可能と思われて、ボーリング調査の対象にさえ、選ばれなかった所だった。
案の定、海面より高い位置で岩盤に突き当たり廃棄。
もう一ヶ所も、水量が少なく塩分が甘くてダメ。
結局150mほど離れた、旧水族館前に掘った井戸が、
かろうじて使用可能(あと50cmほど深く掘りたかった)と云うことになった。

(昭和59年1月)

48 新築工事⑦徹夜

2008年01月26日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載 

遅れを挽回するため深夜まで工事が続き、
私も家に帰る時間がもったいなくて、建設会社の現場事務所に泊り込むこともあった。
設備工事の中には図面と現場の地形が合わず、現場修正や、やりなおし工事がくり返され、
半徹夜の続いたスタッフがブチ切れて、主任とケンカを始めたこともあった。

排水管の埋没工事は、1月の満月を中心とした3日間、
真夜中の干潮時の3時間しか工事のタイミングが無い!
天気が崩れて波が立てば、その1ヶ月後にもう1回のチャンスしかない、
微妙な工事をしなければならなかった。
2日間でコンクリートを打ち終えて、
午前3時に赤鬼のような(酒好きのせいだとか)現場監督と、
手を握り合ったことをはっきりと覚えている
(昭和59年1月6日)

47 新築工事⑥内緒でGO 

2008年01月19日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載

10月からはさらに忙しくなってくる。
原因は当初からの工期に無理があったのが一番なのだが、
それに加えて館長代理の慎重さ(決断の遅さ)と、
最高顧問(館長の兄)からのクレームによる中断や変更。

建設会社の責任者が“高谷さん、なんとかしてよ!
今でも半月以上おくれてるのに!このままでは3月の完成はとても無理ですよ”と泣きついてきた。

かなりヤバイかなと思いつつも“内緒でGO”を多くすることにした。
問題の起きそうな所は、あえて館長代理に見せず
、私と現場監督で即決・即断で工事を進めてゆくことにした。
(昭和58年10月)

46 新築工事⑤休みなし

2008年01月12日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載 

7月(昭和58年)の中ごろから工事が本格化。
本館を支えるパイルの打ち込み。
地下部分の掘り込み。
イルカプールは基礎コンクリート等、多数の工事が同時進行し、立合いに引っぱりだこ。

“明日は休み”と云うと、工程の都合があるのでどうしても立合ってもらわないと困る。
“振りかえて”と云われる。

夏休み中は水族館のほうも手が足りず、結局休みは消滅!
そして9月になるとさらに忙しくなり、
昼間は水族館と工事現場の往復、夜は10時・12時まで打ち合わせ!

いつになったら休めるの?と思いながらもこれがまだ序の口だったことに、気付いていなかった。

結局3月20日のオープンの1週間後までの8ヶ月間、休みはほとんど取れなかった。

45 新築工事④館長代理

2008年01月05日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載 

館長の弟(後の3代目館長)は、小さな町工場を経営していた。
プラスチック板を加工して看板類を作る会社だったが、
アクリル製の観賞魚水槽も手がけていたので、手伝うことも多く、性格もかなり知っていた。

口癖は“しぼり出せ”だった。
“頭を働かせて知恵をしぼれ!行きづまってももうないか?
別の角度から見なおして!最後の一滴までしぼり出せ”と云う感じ。

水族館の新築が決まってからは、この人が館長代理になり、中心になって話が進められた。
何事にも慎重な人で、1つ1つ立ち止って考えるので、物事が先に進まない。
建設会社のスタッフとの、設計図の検討は大変だった。
いくら説明しても納得してくれず、自論をむし返す。
気付くと0時を過ぎていることも度々だった。
しかし今思い返してみると、この人の慎重さのおかげでいいアイデアが出た部分もあり、
おおいに助かっている事もたくさんあった
。せっかちの私は、この人から多くを学んだと思っている。

44 新築工事③ボーリング調査

2007年12月29日(土)桂浜水族館公式ホームページに記載

 新築に伴って海水井戸を新しく掘る必要にせまられた。
場所の選定のため、ボーリング調査が行われた。
一週間ほどで掘りあげられた穴に、エンジンポンプをセットし、
水質調査。塩分濃度と水温、それに湧水量、潮汐の影響も重要なので3時間おきの計測。
5日から一週間の徹夜になる。
しかしすべて思惑はずれ。
次の場所、その次と、結局3ヶ月余りの間に、10ヶ所の試掘が行われた。
ボーリング屋さんは1本掘りあげるごとに、深さの確認の写真を撮って、報告書を出していた。
それを見た館長が大笑い(本当は笑いごとではないのだが)。
一緒に写っている私の顔は、3本目あたりまではニコニコしているが、
5本目以後は、良い結果が得られないことにイラ立ち、だんだん引きつった顔に変化していた。
結局10本すべて無駄になり、かなり遠くなるが旧水族館の井戸を使わねばならないとの結論になってしまった。
(昭和58年春)

43 新築工事②予算の壁

2007年12月22日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載

新築の基本構想を検討し始めたころは、
トンネル水槽やクジラプールなど、夢見るアイデアがいっぱい出された。
しかし敷地面積と予算の壁にはばまれて、
結局旧水族館をモデルに、開放式の飼育を主体としていくことになった。
私が絶対ゆずれないのは、マンボウの終年飼育に挑戦出来る、大型冷房水槽だったが、
もう1つアカメ用の暖房水槽も欲しくて、何度も話し合いを重ねた。
そして、マンボウは夏場、アカメは冬場だけ循環水にして、濾過槽は共用にするアイデアが生まれた。
これなら省スペースで費用の増加も少しですむ。
しかしそのためかどうか、イルカプールもマンボウ水槽も当初の計画より10%ほど小さくなり、
魚類水槽も少なくなってしまった。
予算と云う大きな壁の前に、随分と妥協させられたが、
とにかく新築に向ってスタートした。
(昭和58年春)

42 新築工事①スタート

2007年12月15日(土) 桂浜水族館公式ホームページに記載 

オンボロ水族館!
金網のフェンスは3回張り替え、6回以上塗りなおした。
トタン屋根のふきなおしも手伝った。
年に数回、台風の度のシケがこい。
波や風が持ち込んだ砂を運び出したり、大波に壊された排水管の修理。
新築によってこれら全ての雑用から開放される。
12年間も待ったが、やっと動き始めた。
やっとお魚を中心とした“飼育員”としての仕事に集中出来るようになる時が来た、と喜んだ。
しかしその前に大仕事が待っていた。
下準備のボーリング調査に始まり、設計図の検討は連日深夜まで!
館長代理との考え方の差の大きさに、前途の多難を強く感じながらも、新築の期待に心を踊らせていた。
(昭和58年春)
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