300(続)大敷網漁の魚達⑱流れ藻の魚(続き)

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流れ藻に付く魚は、ブリ・カンパチを始め
イシダイ・イシガキダイ・オヤビッチャ・イスズミ・
メダイ・カワハギ・アミメハギ・アミモンガラ・ソウシハギなどの稚魚と、
それをねらっているニジギンポやハナオコゼが知られている。

時季が少しずれてトビウオ・シイラ・マツダイも流れ藻をゆりかごに育つ。
4月のモジャコから8月のマツダイまで、
大敷網の流れ藻は私の楽しみではあるが、条件はかなりきびしい。

網の構造上、下り潮(南向きの流れ)でなければ入網しない。
流速も上流(北側)のかこい網が沈む速さが必要だが、
速すぎると藻は網に絡まり、ダンゴになって、稚魚は逃げてしまう。

流れ藻での大漁は数年に一度ぐらいしかないが、
網の中に大きな流れ藻を見つけた時は、期待に胸がおどる。







桂浜水族館公式ホームページ   2013年03月02日(土) 掲載

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299(続)大敷網漁の魚達⑱流れ藻の魚 

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春になると、大敷網に流れ藻が入るようになる。
流れ藻は稚魚のゆりかご。
いろいろな魚の稚魚がかくれている。

稚魚達は藻の間にかくれて捕食者から身を守り
、藻に着いたワレカラやヨコエビを食べて成長するのである。

ホンダワラの大きな塊をすくいあげると、
5ミリから数センチの稚魚が数百尾。
文字どうり一網打尽になるのである。

その稚魚の代表がブリの稚魚。
その名も“モジャコ”。

しかしモジャコは、養殖業者が種苗用に沖合で採捕しているので、
大敷に流入する藻はほとんどがその取りカス。
稚魚が付いていることは少ないのである。(続く)





桂浜水族館公式ホームページ   2013年02月23日(土) 掲載

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298(続)大敷網漁の魚達⑰ツバクロエイ

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直径50cmほどの円盤のようなものが泳いでいるので、
近づいてきたらすくうつもりで身がまえていたら、突然視界から消えてしまった。

“え!何?”と思って探していたら、目の前に浮かんできた。
大きさのわりには薄っぺらい、ツバクロエイだった。
角度が変って見えなくなっていたのである。

しかし玉網を出すタイミングがおくれて再び消えてしまい、
次に見つかったのはアジやサバと共に大玉網にすくわれて、
船上に広げられた時。

薄いヒレはズタズタで、息はあるがとても飼育出来る状態ではなくなっていた。
この扁平な体で、水槽内を泳いでくれたら人気が出るかも知れないと思い、
これまでに数回つれて帰ったことがあるが、いずれも水槽内を泳ぐ状態に至っていない。






桂浜水族館公式ホームページ   2013年02月16日(土) 掲載

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297(続)大敷網漁の魚達⑯アカエイ

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アカエイは日本人の食卓には無縁の魚だが、
お隣の韓国では、お正月料理に欠かせないとのことである。

砂地を好む魚なので、室戸あたりにはあまり多くない。
尾部の背ビレが変化した毒棘はよく知られているが、
私が大敷で初めて見たアカエイは、シッポがなかった。

「アカエイの毒は恐いので、シッポを切って海へ捨てる」と教えてくれた。
実際アカエイの毒はかなり強いらしく、
昔水族館の大先輩のおばちゃんに
「小手操り(底曳網漁)の仕訳けを手伝いに行って、
手の甲をやられて2日間寝込んだ」との話を何度も聞かされ、
傷跡を見せられた経験がある。

その毒針にだけ注意すれば、丈夫で飼いやすい魚である。




桂浜水族館公式ホームページ   2013年02月09日(土) 掲載

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296(続)大敷網漁の魚達⑮ウチワザメ

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ウチワザメは瀬戸内側には多いようだが、
室戸の大敷ではあまり見かけない。

サメの名がついているが、分類上は完全にエイのグループに入る。
サメ・エイ類はアンモニア臭がきらわれて
食用にならないものが多いが、ウチワザメはおいしいらしい。

しかし食べられる部分はほんの少し(尾部)しかないので
仲買いは見向きもしない。だから遠慮なくもらって帰る。

スレに強く、おとなしくて餌付きもいいので、飼いやすい魚である。
砂にもぐるのが得意なので、展示の際は底砂を粗くしたり、取り除いたりする必要がある。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年02月02日(土) 掲載

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295(続)大敷網漁の魚達⑭トビエイ

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トビエイは秋口から晩秋に入網することが多い。
泳ぐ姿が洋凧のゲリラカイトに似ていて人気がある。

表層を泳ぐ性格の魚なので、大敷網が絞られてきた時、
他の魚に埋まる前にすくうことが出来る。

近縁のマダラトビエイ(29マダラトビエイ)と同じく貝類が主食で、
エサにもつきやすい。

やはりマダラトビエイと同じく、
水温が18℃を切ると背中に黒いスジ(血管と思われる)が現れ、
その先は数日の命。

開放式(海水をかけ流す方式)で飼育している当館の水温は、
1月には18℃を切り、彼らの命は自然消滅するのである。






桂浜水族館公式ホームページ   2013年01月26日(土) 掲載

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294(続)大敷網漁の魚達⑬クロアナゴ

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1.5mほどの灰色の丸太のようなクロアナゴが数尾泳いでいるのが見えた。

船方がニヤニヤしながら「桂浜よ、つれて帰るか?」と声をかけてきた。
「ハイ」と答えると「バカ、冗談だ」と云ったように聞こえたが、
私は本気で欲しかったので、玉網にギリギリ入りそうな小さ目の個体をすくいあげた。

ところが玉網の中で少し暴れた途端に、スルリと抜けてしまったのである。
船方は「こわいぞ、こわいぞ」と声をかけてくる。

彼等はこのサイズのクロアナゴがいかに危険かを知っていて、
私を心配してくれていたのである。

玉網には丸く喰い破られた穴。
大きな口には針状の歯がズラリと並び、
口に入ったものはまっぷたつ!
私の指でも喰い切られそうだった。

クリクリした大きな目と大きな口が魅力的で、
何とか飼育してみたい魚の1つである。

しかし以後何回か出会ふ機会はあったが、
今のところ手を出せていない。



桂浜水族館公式ホームページ   2013年01月19日(土) 掲載

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293(続)大敷網漁の魚達⑫ゲンロクダイ 

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チョウチョウウオの仲間は、
沿岸の浅場やサンゴ礁などにすんでいるので、
沖合に仕かけられた大敷網では、ほとんど見かけない。

しかしゲンロクダイだけは、どうやら生息域が違うようで、
時たま入網することがある。
もちろん食用にはならないので私の水槽へ。

チョウチョウウオの仲間としては、
低水温(15℃)にも耐えられて丈夫。

開放式水槽で冬越しが出来る、唯一のチョウチョウウオである。

しかしこの魚には特殊な食性があるのかも知れない。
よく餌付いていてもだんだん痩せてきて、あまり長生きしてくれない。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年01月12日(土) 掲載

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292(続)大敷網漁の魚達⑪ネズミギス

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もう30年以上も前の事だが大敷から
「見たこともない、四角い口の魚が獲れた」との連絡を受けて室戸へ走る。

私も全く見たことのない魚だったので、
つれて帰って調べてみるとネズミギスだった。

体形はキスのようだが、パッと見はネズミ顔である。
厚めのウロコにおおわれているので丈夫そうに見えたが、
スレがかなりひどく飼育には至らなかった。

その後2回だけ三津大敷に入網したが、以後姿を見ていない。
しかし底曵網ではボツボツ入るらしいが、飼育出来る状態のものはいないとのこと。
漁獲量が少ないこともあって売り物にはならないが、見かけによらずおいしいらしい。





桂浜水族館公式ホームページ   2013年01月05日(土) 掲載

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291(続)大敷網漁の魚達⑩カワビシャ

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テングダイに近い仲間で、
深海性(100~300m)の魚のようである。

大敷網でカワビシャの成魚を見かけたことはないが、
幼魚はテングダイの幼魚と共に初夏に入網することがある。

テングダイ同様、スレに弱い上、餌についてくれず、良くても半月余りの命だった。
しかしある時、状態のいい幼魚が予備槽の中で
ライブロック(微小生物が住みついているサンゴの死骸など)をついばんでいる姿を見かけた。

別の水槽に移してよく見ると、ライブロックから伸び出したクモヒトデの足をねらっていた。
「よし、これだ」と初めてカワビシャが餌付いたのをよろこんだのだが、
その後間もなく体調を崩して死んでしまった。

多分水温の上昇のせいだろうと思っているが、
その後カワビシャの幼魚が大敷にほとんど入らなくなってしまって、もう10年が過ぎている。






桂浜水族館公式ホームページ   2012年12月29日(土) 掲載

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290(続)大敷網漁の魚達⑨テングダイ

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黄色の大きなセビレがきれいなテングダイは、
室戸では水温が上がり始める5月頃に入網することがある。

どこから見ても水族館向きの魚なので、生かしておいてくれることも多い。

しかしこの魚は餌付かない。
魚の切身やアサリ・エビ・カニ・ミミズのほか、生き餌もためしたが、
テングダイが餌を食べるところを見たことはない。

ただし何も食べなくても平気な魚のようで、
入館時のスレ傷をクリアした個体は、
2~3ヶ月は元気に黄色い優雅なセビレをはためかせて、見せびらかせてくれる。




桂浜水族館公式ホームページ   2012年12月22日(土) 掲載

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288(続)大敷網漁の魚達⑦ウミヒゴイ

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磯釣りに行ってグレ(メジナ)の姿が全く見えなくて
クサッている時、時たまウキを引き込んで間を持たせてくれるのが、
釣人にメンドリと呼ばれているウミヒゴイである。

大敷にはたまにしか入らないが、
ヒゴイのような赤い体は目につくので、すくいやすい。

白身でお吸い物や煮つけておいしい魚だが、なぜか魚価は安い。
だから見かければ必ずつれて帰る。

大きなウロコは取れやすいのだが、
スレには強く餌付きもいい。
2本の黄色いアゴヒゲで、
海底をたたくように餌をさがす姿は水族館で人気がある。




桂浜水族館公式ホームページ   2012年12月08日(土) 掲載

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287(続)大敷網漁の魚達⑥ダイコクサギフエ

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30年以上も前の事だがダイコクサギフエの幼魚(3~5cm)の
大量入網が続いたことがあった。

3月末頃、朝の漁で大敷網がせばまって来ると、
海面がダイコクサギフエでうずまって赤くなってしまうようなこともあった。

クチバシのとがった、変った形の魚なので水族館向きである。
しかし大敷ではすべてゴミ扱い。
「全部桂浜へつれて帰れ」と云われたこともあった。

私は玉網でひとすくい分だけ(それでも千尾ちかい数)つれて帰った。
丈夫ですぐに餌付いたのだが、6月半ばになるとバタバタ死んでしまう。

調べてみると冷水系の魚で水温は20℃が上限とのこと。
冷房設備のなかった旧館時代には無理な魚だったのである。
そのダイコクサギフエは温暖化による海水温の上昇のに伴い、
近年は全く姿を見かけなくなってしまっている。




桂浜水族館公式ホームページ   2012年12月01日(土) 掲載

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286(続)大敷網漁の魚達⑤チカメキントキ

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私はチカメキントキを食べたことはないが、
白身でおいしい魚と聞いている。

深海性の魚なので、おもに底曵網から入手している。
大敷網は水深が50m余りの所に設置されているので、
チカメキントキの生息域(100~300m)よりは、かなり浅い。

しかし幼魚の時は浅場にいるようで、
5・6月頃に5~10cmほどの個体が入網することがある。

ウロコが堅く丈夫で餌付きやすい。
水温(23℃以下)に注意する以外は飼いやすい魚。
赤い体と大きな口。大きな目玉は、ぜひとも水族館に欲しい魚である。




桂浜水族館公式ホームページ   2012年11月24日(土) 掲載

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285(続)大敷網漁の魚達④サザナミヤッコ 

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チョウチョウウオの仲間としては、
大型(40cm)になるサザナミヤッコは、
ごくまれに室戸の大敷網に入網することがある。

漁師には無価値だが水族館ではスターになれる魚である。
40cmサイズを熱帯魚店に注文すれば、5万円は下らないと思う。

私は直接出合ったことはないが「これは桂浜が喜ぶだろう」と
大切に生かしておいてくれるのである。

永年大敷網に通いつづけたごほうびと思っている。
生かしておいてくれる魚は他にもイロイロあるが、
サザナミヤッコはスレにも強く低温(15℃)でも平気で、
丈夫で飼いやすいNo.1の魚である。




桂浜水族館公式ホームページ   2012年11月17日(土) 掲載

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284(続)大敷網漁の魚達③アンコウ

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大敷網に入網するアンコウは漁獲量が少ないせいもあって、
昔(昭和の終る頃まで)は捨てられていた。

水温の低い3~4月頃に朝持ち(夜明けの漁)に出かけると、
よく見かけたので必ずつれて帰った。

この魚はブヨブヨの皮フで一見スレ傷などは起こさないように見えるが、
実際は非常にデリケート。
すぐに炎症を起こして、アゴや尾部がハレあがってくる。

餌付くまでに至った(28アンコウ)(153失恋②あん子)のは、
これまでに3尾だけだったと思う。

飼育水温も15℃以下が望ましいらしいので、
当館の設備では、かなり難しい。
その上最近では、アンコウもかなりいい値がつくようになっているので、
飼育を試みるのはあきらめている状態である。




桂浜水族館公式ホームページ   2012年11月10日(土) 掲載

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283(続)大敷網漁の魚達②セミホウボウ

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室戸の大敷では、あまり見かけない魚である。
変った形の珍しい魚は、水族館向きなので生かしておいてくれることが多いのだが、
セミホウボウはたいていの場合浮き袋がふくらみ、自慢の大きな胸鰭がかなり痛んでいる。
ウロコが硬く空気抜きの注射針も入りにくくて、いい状態でつれて帰れる個体はあまりない。

食べてもおいしくないとのことで、
捨てられる魚なので見かければ必ずもらって帰るが、
運よくスレが回復しても、非常に餌付きにくい。

しかし水族館向きのかっこいい魚なので、
なんとかならないかと今も力を入れている魚の1つである。



桂浜水族館公式ホームページ   2012年11月03日(土) 掲載

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282(続)大敷網漁の魚達①ホウボウ

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白身でおいしい魚。
煮付けやお吸物用に人気がある。

水色の大きな胸鰭に、きれいな水玉模様。
赤っぽい体が目立つので、大敷網がせばまってくると、
私はすばやく玉網を出して自分の水槽へ取り込む。
少し油断すると、他の魚に埋もれてしまって自慢の胸鰭がズタズタになってしまう。

ホウボウは浮袋を使ってホーボーと鳴くので有名な魚だが、
他にも胸鰭が変形した“足”を使って海底を歩く、
ユニークな生態でも知られており、
どこから見ても水族館になくてはならない魚なのである。



桂浜水族館公式ホームページ   2012年10月27日(土) 掲載

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