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600 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策①夜番

テンス
  冬場の夜の“渇水”は早い時は9時過ぎに警報ブザーが鳴り、毎日約40分づつ位遅れながら最大10日間続く。当初はブザーで呼ばれると、井戸の蓋をはぐり8mほどの底まで降りて水位を測り、30分ごとに海の干潮と井戸の干底の時間差を比べ、センサーの高さを調整し、ブザーの発報とポンプの露出ぐわいと発熱による自動停止までの時間とその間隔を繰り返し調べた。その結果、海の干潮と井戸の干底の差は2時間15分で、自動停止は発報から2時間後。停止すると水位が回復するので15分ほどで自動復帰することなど、徹夜の夜番を繰り返し“渇水”の対策・対処方法を模索したものである。
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599 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓐ解説②

ツキチョウ
  土佐湾などの太平洋岸では、冬場の満月の真夜中に大きく潮が引く(春になると新月の昼間に引くので潮干狩りシーズンになる)。早い年では九月の満月の夜の潮から始まり、三月まで“渇水”に備えねばならない。潮位は気象にも大きく左右される。お天気が悪くなると気圧が下がり波も出るので潮はあまり引かない。逆にお天気が良くなり、高気圧が張り出して北風が強く吹くと、土佐湾の海水が沖へ押し出されて、潮位は大きく下がってしまうのである。各井戸には水位センサーがセットされていて、危険水位まで下がると宿直室でブザーが鳴り、私が呼び出されるのである。

598 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓐ解説①

チョウハン2
  当館では桂浜に掘った井戸から海水を汲み揚げでいる。波打ち際から80mほど離れた遊歩道のすぐ横にある井戸は、大潮の干潮水面より1mほど深く掘ってあるが、それでも夜間の干潮時に大きく潮が引く、冬場の大潮には“渇水”が起こる。各井戸には7.5kWの水中ポンプが座っており、稼働中は毎分1tちかく吸い揚げているので、停止時の水面より50cmほど水位が下がってしまう。ポンプ本体が水面より露出してしまうと、モーターの発熱を冷却出来なくなり、安全装置が働いて自動停止してしまうのである。常時三台稼動しているのだが、二台が同時に自動停止してしまうと水圧不足になり、魚類水槽への注水が止まってしまうのである。

597 悩まされた仕事④排水口Ⓓ破壊

タイワンダイ
  逆に台風が沖縄方面から来ることが続くと、桂浜の砂は東に移動し、排水管が掘り出されてしまう。浜に露出した40cmの排水管は見苦しいので、出来るなら砂をかけて埋戻しをするのだが、ほんの少しの波ですぐにまた掘り出されてしまう。さらに大きく掘り出されると手の施しようがないのである。大抵の場合は晩秋に関東沖に出来た台風が埋戻してくれるのだが、今年の夏は西側の台風が続いて掘り出されていた排水管が、九月末の強力な24号台風の大波で、ついに中ほどからパイプがもぎ取られてしまった。さすがにこれは私の手に負えず、修理は業者に発注するしかなくなってしまったのである。

596 悩まされた仕事④排水口Ⓒユンボ

ソメワケベラ
  ある年、関東の沖に台風がいくつも発達し、桂浜の砂が大きく西側に移動(206桂浜百景⑥砂の移動)したことがあった。排水口は3mほど埋まってしまい、半月かかっても掘り出せなかった。数人がかりで2m近く掘り込み、そこへさらに堀内パイプを入れたが、このパイプも排水口のすぐ近くに届かないと、排水は浸み出すだけで噴き上がってはこない。プール掃除も出来ず困ってしまい、とうとう知り合いの建設業者に頼み込んで、重機(ユンボ)を借りて掘り出さねばならなくなったこともあったのである。

595 悩まされた仕事④排水口Ⓑ堀内パイプ

センニンフグ
  昭和59年の移転新築で、排水管は40cmの塩ビパイプになったので、もう波に壊されることはあるまいと思っていたら、砂の移動によって排水口が埋められてしまうことが多くなってきた。1m以上埋まると自噴出来なくなり、掘り出してやらなければならなくなる。桂浜の砂は比較的目が粗く排水口が埋まってもしばらくは浸透してゆくが10日ほどで目詰まりになり、プールの排水が出来なくなる。砂浜の排水口を掘り出すのは非常に手間がかかる。砂は掘っても掘っても次々と崩れてくる。深さ1mまで掘るには直径3mぐらいで掘り進めねばならない。そこで考案されたのが“堀内(釣り勝負を繰り返した相棒だった男の名前)パイプ”である。直径10㎝で長さ1mほどの塩ビ管。これを排水口の真上と見当をつけた場所に突き立て、パイプの中だけを掘り進める。うまく排水口近くまで行くと排水圧で吹き上がって来るのである。

594 悩まされた仕事④排水口Ⓐ旧館時代

スズキ
  当館は現在では非常に珍しくなってしまった“解放式”で魚類を飼育している。桂浜の砂浜に掘った5本の井戸(218~222井戸の話)から汲み上げた海水をかけ流しにし、排水は直接浜に返す。その浜は台風などの波によって砂が大きく移動(206桂浜百景⑥砂の移動)する。旧館時代波にさらわれたり逆に埋められたりした排水管の修理が、私の大きな大切な仕事で何度も何度も繰り返された。当時の館長に「もっと丈夫な排水管を…」と注文したこともあったが「どんなに丈夫に作っても必ずすぐに波に壊される。壊れたら修理するのがお前の仕事」との返事だったのである。

593 悩まされた仕事③水漏れⒹアカメ水槽

シマイサキ
  アカメは当館の目玉なので、新築の際本館の正面に水槽を構えた。それが10年ほどして中央の解説板のすぐ下のあたりから漏れ始めたのである。コンクリートに小さなクラックが入りそこから浸み出すように漏れ出ている。何しろ本館の正面なので館長は「見苦しいので何とかしろ」と…。クラックに水中ボンドを押し込んでも、すぐ隣から浸み出すように流れ出る。これを止めるには水を抜いてFRPを剝がし、場合によってコンクリートを壊して張り直さねばならない。漏れ出る場所も悪く、流してゆく先もない。流量が多い時など、正面に水たまりが出来るので、度々拭き取らねばならないこともあった。この状態は20年以上続いたが、3年ほど前この水槽の上部に大きなひび割れが出来た。どうしても水槽全体のメンテナンスが必要になって、業者がそのひび割れを修理。底にあったクラックには樹脂を押し込んでFRPも張り直し、やっとのことで長年の懸案がかたずいたのである。

592 悩まされた仕事③水漏れⒸ微量漏れ

サヨリ
  先週のマンボウ水槽には、別の場所からほんの少しの漏れも続いていた。こちらもパテの傷が原因なのは間違いないのだが、微量過ぎるので漏れ場所の特定は不可能である。何しろ漏れ出た海水が、流れる途中でルートを変えて、そのあとがツララのようにアクリル面に残り、塩分だけがこびりつく。そんな筋が毎朝2~3本、それを拭き取ると夕方にも1~2本。上部からの漏れは間違いないので、お魚をそのままに水位を半分まで下げて修理を試みた。パテの部分をトーチランプであぶり水分を飛ばしてシリコンを塗り付ける。しかし何度やっても効果はなかった。水漏れを外側から止めるなんて絶対不可能とは思いながら、万策尽きたので試しにシリコンで外側から抑え込んでみた。なんとこれが成功し、一年半近く過ぎた現在も止まっているのである。

591 悩まされた仕事③水漏れⒷマンボウ水槽

コバンアジ
  この水槽は私がマンボウを飼育するために作ってもらった50tほどの水槽だが、10年ほど前マンボウの飼育を諦めると、若いのがアオウミガメを入れた。それから半年ほどすると、水漏れが始まったのである。亀がパテを傷つけたのは間違いない。そこで潜って何度も何度も調べてみたが、パテの傷が予想以上に多くて場所が特定できない。考えたあげくに思いついたのが、白点病の治療に使われているメチレンブルー。この色素を注射器に入れて、傷ついたパテの周りをグルグル回って、やっとのことで吸込み口を見つけた。ドライバーを差し込むとドンドン吸い込むので、そこに水中ボンドを押し込むと見事ピッタリ止まったのである。

590 悩まされた仕事③水漏れⒶイサキ水槽

ケショウフグ
  新築から数年。最初の水漏れはイサキ水槽だった。コンクリートのクラックからか、アクリルガラスとコンクリートの隙間を埋めるパテが原因なのかはわからない。完全に止めるなら水を抜きFRPを剝がしパテも外して詰め替えねばならない。時間も費用も大変!。そこで私は水溜めたまま、魚もそのままでの修理を試みた。閉館後に水槽に潜り、水中ボンドで怪しい所を埋めてまわる。うまくいかないこともあったが、しばらくは止まっていることもあった。しかし一ヶ月から半年でまた漏れ出し始める。10年近くこれを繰り返した末にたどり着いたのが“水逃がし”。かなり見苦しいが、漏れ出た水を水槽の裏側へ導いて排水するようにセットして現在に至っているのである。

589 悩まされた仕事②侵入者警報Ⓓ緑青

クマノミ
  アオサギ対策から20年余り出なかった誤報が、今春またしても出始めた。春になってからなので“虫”の気配を感じてシリコンを張り直してみたが、やはり数日おきに発報する。昨年、近くで工事をした時ユンボが配線をひっかけたことがり、その部分の断線を疑って掘り返して調べてみたが異常なし。コントローラーやセンサーを予備品と取り替えたりもしてみたが、やはり毎晩又は数日おきに誤報が出る。館長に「修理不能です、寿命かも?」と報告した上でさらに調べていたら、受光機側の電圧が不安定なのがわかった。計る度に5ボルトから12ボルトの間を移動する。もしかしてこれは断線しかかっているのかもと思い、接続部を探すため本体から天井裏に入って線を追っかけてゆくと、壁穴を通り抜けた軒下に結線部を見つけた。ビニールテープの端からほんの少しの緑青がのぞいている。これだ!と確信しビニールテープを剝がして緑青でボロボロの銅線を繋ぎ直す。ここまでくるのに一ヶ月以上悩まされ続けたのであった。

588 悩まされた仕事②侵入者警報Ⓒアオサギ

キアマダイ
  その後数年間は順調だったが、ある年の初冬またしても誤報が出始めた。当時の宿直はアルバイト学生「10分おきに鳴ることもあって眠ることも出来ない」と泣きついてきた。ハトや猫は引っかからないはずだし、虫やアリも活動が弱い時季だし。警報は毎晩1時頃に出るとのことで一晩付き合ってみることにした。本館の隅に隠れて待つこと一時間、現れたのはアオサギだった。タッチングプールの小魚を狙って歩き回っていたのである。学生には「侵入者と鉢合わせしないように、警報が出たらライトをつけて音をたてながら巡回…」と教えてあったので彼が巡回すると逃げていたようだ。仕方なく、またセンサーの位置を高くしてセットし直さなければならなくなったのである。

587 悩まされた仕事②侵入者警報Ⓑネコ・ハト

カクレクマノミ
  しばらく出なかった誤報がまた出るようになってきた。誤報は明け方、それも明かるくなってからのほうが多いとのことなので虫の可能性は低いと思いつつ、シリコンを張り直してみたが効果はなかった。宿直員に注意して見てもらったら、どうやら猫が原因らしいことが分かった。そこで猫の通路を塞いで一安心。しかし頻度は下がったがやはり誤報は出る。宿直員に早朝の張り番をしてもらって見つけたのがキジバトだった。ハトには特定の通路はないので、仕方なくセンサーの位置を10㎝ほど高く移動させて、やっと明け方の誤報はなくなったのである。

586 悩まされた仕事②侵入者警報Ⓐ虫

オキナヒメジ
  新築当時、夜間の侵入者に悩まされた私は手製の警報を作った(457エコおやじの工夫⑩釣り糸警報)が、後に赤外線警報をセットしてもらった。ところがこの警報装置は度々誤報を出して困らせてくれた。発報の度に宿直員は館内を巡回しなければならない。空振りが続くと宿直員は怒り出す。セットした電気屋を呼んで調べてもらっても「わからない…」と。仕方なく私が装置を分解。眺めていてふと気付いたのがセンサーのそばを歩く小さなアリ!。もしかしたらこのアリが侵入したのかも?と思いつつよく見ると、小さなゴキブリの抜け殻と思えるものを見つけた。こいつが悪さをしたに違いないと確信し、装置全体をシリコンでぐるっと目張り。以後誤報はピッタリと止まったのである。

585 悩まされた仕事①排水管詰まり🄫穴詰まり

エゾイソアイナメ
  移転新築から20年以上が過ぎてプールの痛みがひどくなってきた頃、アシカプールの主排水の流れが悪くなってきた。正常なら一時間たらずで空になるはずのプールが、二時間以上かかるようになってきたのである。100㎜の排水管が詰まるわけがないと思っていたので理由がわからず悩み続けていたが、バルブを開けた時の勢いが少し弱いように感じて、思い切ってバルブ本体を取り外してみた。すると手の届くギリギリの所に曲がり角があって、そこに太目の木の枝がかかり、それにプールに貼り付けてあるFRPのかけらが重なり、さらに松葉が流れを止めていたのである。肩まで手を入れてなんとか木の枝を引きずり出し、詰まりは一気に解消。再発防止のためプール側のストレーナーをアシカがイタズラしてもはずせないように、しっかり固定したのである。

584 悩まされた仕事①排水管詰まりⒷ工事ミス

ウマヅラハギ
  目皿を設置してあっても、一部の松葉はすり抜ける。そして特定のパイプではそれが目詰まりをおこす。原因は途中に何かの異物があり(考えられるのは工事ミス)、それに少しづつ引っかかり、ついには穴詰まりになるのである。アシカ・ペンギン水鳥などのプールの多数の排水穴のうち、5ヶ所ほど引っかかりのある排水管があり悩まされている。目詰まりで流れなくなると、エンジンポンプをセットして下流側の桝から逆洗、すると大量の松葉が吹き出してくる。その瞬間は便秘が解消したときのようなスッキリした気分になるのだが、2~3ヶ月ごとに繰り返さねばならなず悩ましいのである。

583 悩まされた仕事①排水管詰まりⒶ松葉

イタチウオ
  当館は高知市の桂浜公園内の一部を借地して建てられている。敷地には樹齢百年を超えるクロマツが十数本あり毎日松葉が降りそそぐ。従業員は毎朝その松葉の清掃から仕事が始まるが、当然のことプールにも。水面の松葉はプールのへりにある排水穴に流される。穴には目皿があり松葉はそこに集まる。若いのが毎朝の掃除を面倒がって目皿を取り除いて捨ててしまった。結果松葉は排水と共に海まで流れ出るようになったが、私の恐れていたことも!。一部の穴はパイプの途中で松葉が引っかかり流れなくなってしまうのである。目皿をつけて毎朝掃除するか、詰まってしまった穴を手押し式やエンジンポンプをセットして吹きぬくか。今も若いのともめ続けているのである。

582 悩まされた仕事(序)

アカマンボウ
  エコおやじのは46年前、飼育員として桂浜水族館に就職したが、その時の館長は「ワシは館長兼小使いで、魚も電気も機械の面倒もみゆう。お前はそのワシの助手じゃきに、何でもやらにゃいかん」と言っておよそ考えられないような仕事(②初日④水道管修理⑥飼育員の仕事)を次々とさせられた。館長の“召使い”と感じることも度々だった。しかし館長の友人の大工の棟梁(268恩人③スエやん)や子分(270恩人浪やん)の弟子としていろいろ学び、おかげで昭和59年の移転新築の頃には設備全般を任されるエコおやじになりつつあったのである。今回はそのエコおやじをおおいに悩ませてくれた仕事を思い返してみたいと思う。
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