fc2ブログ

98 磯採集⑮夜間採集

100_20230107111141735.jpg
  相棒と夜間の素潜り採集を試みたことがある。何度も行ったことのある磯(樫西海岸)なので、サンゴの形や岩穴の場所など知りつくしている。夜中には魚も眠ってて採補しやすいはず。すばらしい獲物が獲れるかも、と期待していた。しかし水中用のヘッドライトだけで、まっ暗闇の海に入るのはイザとなると足がすくむ。だが相棒に悟られたくない!。知らん顔で泳ぎ出す。この岩かげに大きなテーブルサンゴがあり、その下にはミノカサゴ。向かいの岩穴にはトゲチョウやツノダシが眠っているはず。恐怖心と戦いながら泳いで廻り、チョウやブダイなど、十数尾を捕獲した。相棒も同様の獲物と共に上ってくるなり「もうイヤダ!!怖い!!」と私の心を代弁してくれた。お互いにライトの向こうや背後の闇がいかに怖いかを話し合ったが、30分後にはその怖い海へ、また入っていくのであった。(平成2年9月)

  桂浜の磯でも何度か夜間採集をしたことがある。10cmほどの小型のイセエビが沢山獲れたこともあったが、獲物の種類が限られているうえ、樫西の磯と違って深い(2~4m)ので背筋に感じる怖さに耐えられず 、相棒も行きたがらなくなってしまった。
スポンサーサイト



97 磯採集⑭高島渡船場

99_20221214161941d61.jpg
 私の生家は鳴門市鳴門町。自宅前には高島渡船場がある。100mほどの桟橋が小鳴門海峡に突き出ている。橋脚を守るために、大型の拾石がいれてあり、その石の間にいろいろな磯生物がいることは小学生のころから知っていた。10年余り前から、毎年春の大潮をねらってここへ採集に来るようになった。鳴門のあたりの生物相は、太平洋に面した桂浜とはずい分ちがっている。マナマコやイトマキヒトデ・ウミウシなどのほか、一番のねらいはネッタイハナギンチャクである。ムラサキが主だが、白や緑もあり、細長い触手を海底に広げている。しかし干潮線よりも深い砂地に棲んでいるので、腰まで水に入り、スコップで掘り返さなければならず、うまく採集するのはかなりむずかしい。

  ネッタイハナギンチャクは飼育展示がうまくいかず採集はやめたが、マナマコやヒトデの採集のため今も年に一回通い続けている。

96 磯採集⑬松崎海岸

98_202212141619404a0.jpg
  足摺港のすぐ近く。東側に半島が長く伸び、目の前には無数の岩礁が点在するため、内湾の状態のようになり、太平洋の大波がとどきにくい。そのため磯生物が豊富で、造礁サンゴもたくさん見られる。大きめのテーブルサンゴの下をのぞくと、ミノカサゴが隠れている。そして砂地の所ではタコノマクラが貝殻を乗せている。しかしなんといってもここの主役はルソンヒトデである。パッと目を引くオレンジ色なので、タッチングプールに入れると子供達に大人気!。ウニやナマコよりも抵抗なく手に持つことができるので、その分被害も大きくなる。次々と消えて(死んで)しまうので、ここ数年ルソンヒトデを求めて通い続けている。 

  沢山獲り過ぎて一時数を減らしたこともあったが、非常にむ広い磯なので次の年にはすっかり回復していた。

95 磯採集⑫樫西海岸

97_20221214161942c21.jpg
  ここは“熱帯魚おたく”のT氏に教わった。町営の海水浴場のすぐ外側で、大きくとりかこむように大小の島々があり、変化に富んだ磯がある。干潮時には1mたらずまで潮が引く。このあたり独特のシコロサンゴが点在し、チョウチョウウオ・ハタタテダイ・ツノダシ・ベラやブダイの仲間、それにシラヒゲウニ・ガンカゼ・オオウミシダなど、種類も量も豊富である。そして一番すばらしいのが、追い込みが出来る天然の水路である。巾2mほどで細長いノッペラな水路なので、チョウやブダイを追い込んでネットで仕切れば採補しやすい。相棒と何度も通い、小型の観賞魚を中心に磯生物の採集に勉めた。

  ただしここは水槽トラックを止めておく所が遠い。階段を20mほと上がり山道を100mほど、獲物を入れた重いバケツを運ぶのが大変だったのである。

94 磯採集⑪丸山海岸

96_2022121416194561f.jpg
  室戸岬の丸山海岸(40失敗⑥乱獲)には大きな潮溜りがある。巨大な岩が半円状に並んだ内側に、長さ20m巾10mほどの長円型。深さは干潮時で1mぐらい。磯採集には理想的な場所である。冬場の冷たい西風は山にさえぎられ、南西からの太陽がうまく差し込む地形になっているので、水温が下りにくいらしく、南方系のサンゴも育っている。春の大潮時には、サンゴイソギンチャクはもちろん、岩の上にはアマクサアメフラシ。潮溜りにはムカデメリベ。石の下にはクロナマコ。夏にはニシキベラやウバウオ、それに1~2cmのトコブシ。秋になるとクマノミが、私を攻撃してくる。私はクマノミの卵や幼魚がいないか確認しながらサンゴイソギンチャクの採集にかかる。丸山海岸は私の磯採集の原点でもある。

  稀少種のムカデメリベはなぜか3~4年の間隔をおいて沢山(といっても多くて10個体)獲れることがある。

93 磯採集⑩ウミシダ

95_2022121416194735d.jpg
  見かけは植物そのものだが、ウニやヒトデの仲間にあたる。桂浜の磯にもたくさんいて、フック1本あれば素潜りでいくらでも獲れる。しかし最初のころは飼育がうまくいかなかった。シダの葉状の触手はいくらちぎれても平気のようだが、中心部の肛門周辺のやわらかい部分に、ほんの少しでも傷がつくと、一週間ほどで内臓がとび出し、全体がバラバラにくずれて、砂粒のようになって消えてしまう。フックで岩の割れ目からかき出したら、附着用の根と云うか足の部分を持てば、大切な部分を傷つけないことがわかってからは、生存率は良くなった。しかし、タッチングプールで子供達に遊ばれると命は短い。触手がくっつくので気味悪がられてはいるが、人気がある。そのため内臓破裂で次々と消えてゆく。

  10年ほど前、桂浜の磯からウミシダが消えた。5年ほど前に少し復活しかけたが、まだ数は少ない。

92 磯採集⑨ギンユゴイ

94_202212141619482d4.jpg
  磯ぎわやテトラポットの間にいることが多い。10cm以上になると、小魚釣りの時にかかることがある。ごく一般的な魚の体型だが、尾鰭にだけ縞模様を持つ、変った特徴がある。幼魚は、磯の波が打ち込んで、行き止りになる所。アワがあまり出なく、水位だけが上下するような所に多い。逃足が速くて、玉網で追ってもパッと消えてしまう感じで、捕獲はかなり難しい。しかし夜中だと別である。昼間のうちに場所を確認しておいて、こっそり近づき、バサッと玉網を入れる。2~3cmの幼魚が1ヶ所で数尾づつ獲れることが多かった。(昭和50年頃)

  この半世紀の間に桂浜の砂浜の形が大きく変化。磯の形も変わり、ギンユゴイのたまり場はほとんど消えてしまった。

91 磯採集⑧カエルウオ

93_202212141619498b0.jpg
  カエルウオが、水槽のガラスに生えるコケを食べてくれるとの情報を仕入れて(昭和48年頃)なんとか集められないかと考えていた。ごくまれに釣れたこと以外には“磯の上や海藻の中にいるらしい”ぐらいの知識しかなかった。そんな時すばらしい採集場所を見つけた。桂浜のすぐ隣、高知港の入口の突堤のつけ根にある磯には、上段の水たまりに波長の長い波が打ち込み、ゆっくり引いてゆく場所がある。その水たまりに玉網をかまえて打ち込み波を受け止めると、カエルウオやフサギンポなどが、泡と一緒に飛び込んでくることがわかった。口を広げ胴を長くした、ここ専用の玉網を作り、うねりのある日はカエルウオ獲りに通った。しかしこのカエルウオ達は潮汐水槽(⑬高谷水槽)の中ではほとんどコケを食べず、エビや魚の切身ばかりを食べて、少しも仕事をしてくれなかった。

  このカエルウオ採集場所は、ある年の大きな台風で磯が崩れ、上段の水たまりが壊れてしまった。

90磯採集⑦マダコ

20081129163704_2022121416195116c.jpg
  6月頃、素潜り採集をしていると、岩の上でサザエを食べている小型のマダコをよく見かけることがある。秋になると、1kg近い大ダコになって、岩穴から目だけを出している。最初の頃は玉網を使って獲っていたが、そのうち手づかみで獲れるようになった。岩の隙間に逃げ込まれると獲れなくなるので、フックで追い出し、泳いで逃げるように仕向ける。そして手づかみ!!吸盤が吸いついてくるが、つかんだ頭ははなさない。そのままスカリの中へ。タコは巣穴を持っているわけではないが、形のいい岩穴や窪みは限定される。私は桂浜の磯を知りつくしているので、タコが欲しい時には、あそことここと・・・と泳いで廻ればかなりの確率で獲ることが出来る。

  マダコは元々、多い年と少ない年の変化が激しかったが、ここ10年ほどは少ない年ばかりが続いている。   

89 磯採集⑥アワビ

20081122170158_202212141619539eb.jpg
  私が素潜り採集を始めたころ、館長が桂浜のアワビは“竜宮様の西磯”と教えてくれた。その場所あたりを泳いで廻ると、小型のアワビが1・2個獲れることが多かった。サザエは水槽内で動きまわり、それなりに存在感があるが、アワビは水槽の角にピッタリ張り着いて、昼間はほとんど動かないので、展示価値が低かった。館長は“潮汐水槽(⑬高谷水槽)”にアワビを見つけると「よこせ」と云って食べてしまうことがあった。私もそのうちアワビは展示ではなく、自分の腹に入れてしまうようになった。サザエは突然のフィーバーから豊漁が続いているが、アワビは30年余り、変ることなくポツリポツリと獲れて、私の舌を楽しませてくれている。

  桂浜のアワビはなぜか小型が多いのでバックヤードで飼育。二年ほどワカメなどを 与えると食べごろになる。

88 磯採集⑤サザエフィーバー

20081115181512_20221214161932a0e.jpg
  昭和48年の夏頃から桂浜の磯で、素潜りで展示用のウニやウミシダ・タコなどの磯生物を採集していた。しかしサザエやアワビは、ごくたまに見つける程度しかいなかった。ところが平成元年、突然サザエフィーバーが起った。桂浜周辺の磯や消波ブロックに、小粒のサザエがゴロゴロ!!20~30分ほど泳いで回れば5kg余り!腰のスカリが重くて、泳ぎづらくなるほど!相棒と2人でウハウハ!一部は展示にも使ったが残りは食べ放題。同僚はもちろん、友人知人御近所にまで配って喜ばれた。次の年はもっと大きいのがドッサリ獲れると思っていたら、舟をつけて漁をする人が来るようになり、急速に数が減ってしまった。しかしそれから20年、まだまだ豊漁は続いている。桂浜の磯は私の庭みたいなものなので、先日も私だけが知っている(多分)穴場で、大型のサザエを3kgほど獲ってきた。

  このサザエフィーバーから30年余り。急速に数が減り、現在は桂浜の磯にサザエは見当たらない。

87 磯採集④ニセクロナマコ

20081108122616_20221214161935252.jpg
  高知県西部の遠浅の磯には、真っ黒い消し炭のようなものが、たくさん転がっている所が多い。これがニセクロナマコ!波打ちぎわには10cmたらず、沖へ出るほど大きくなり、3~5mの深さの所には40cm・2kg近いものもいる。このナマコの採集は他の生物を集め終って、最後の最後にしなければならない。たくさんいるのでいつでも集められると云うだけではない。こいつは持ち上げた時、キュビエ器官と呼ばれる白いヒモ状の粘液を吹き出す。この粘液が大変!!何にでもくっつく!スカリやバケツはもちろんのこと、その中の貝やウニ・ヒトデ・魚にも!!そしてもちろん手足にも。洗うぐらいでは落ちない、強くこすり落とすしかない。スネ毛にからまると痛くて大変!涙が出る。ただしタッチングプールで飼育すると、栄養不足のせいか、この粘液をほとんど出さなくなってしまうようだ。

  この白い粘液は何にでもくっつくのに自身の体には全くくっつかない。

86 磯採集③サンゴイソギンチャク

20081101181429_20221214161938264.jpg
  大型のイソギンチャクでバリエーションも多く、展示には適しているのだが、採集にはテクニックが必要だ。岩の割れ目の奥の奥にはり着いていることが多いので、上手にはがせるようになるまでにはかなりの経験がいる。指先が届かないような所では、無理に引っぱって引きちぎってしまうことも多かった(40 失敗⑥乱獲)。現在ではヘラ状の金具を作って、かなりうまく採集出来るようになっている。このイソギンチャクの棘胞毒はかなり強い。正常な手足なら平気なのだが、傷があるとピリピリとこたえてくる。採集の途中で岩角やカキなどで指先が傷ついたりすると、残念ながらその時点で採集は中止せざるをえなくなる。

  このイソギンチャクも水槽に流れを作ってやる必要がある。それに強い光も。

85 磯採集②ミドリイソギンチャク

20081025152835_202212141619368b7.jpg
  磯でたくさん見られるスナギンチャクの仲間だが、桂浜周辺の磯にはごくまれにしか見つからない。鮮やかな黄緑色の体に、真っ白の触手黄色の口。大変きれいで目立つイソギンチャクなので、一目で惚れ込んだ。しかしうまく獲るのはかなり難しい。波の浸食に負けずに残った、硬い岩の割れ目などを棲み家にしているので、石ノミがきかないことも多いし、干潮線に近い所にしかいないので、よほどの大潮の干潮時でもない限り、波をかぶりながらの作業になる。あせって無理をして、引きちぎってしまうことも多かった。春の大潮の干潮時、私は度々バケツにドライバー・ハンマー・石ノミを入れて、恋しいミドリイソギンチャクを求めて桂浜周辺の磯を歩き廻っていた。(昭和47年頃~)

 
  水槽で飼育していると触手が伸びすぎてちぢれてくるので、流れや波を作ってやらねばならない。

84 磯採集①磯金(フック)

20081018135930_20221214161244bf1.jpg

  磯採集を始めた頃はドライバー・石ノミ・ハンマー・ナイフなどを持ち歩いていた。しかし夏場、泳ぎながらの採集では石ノミなどは使いづらかった。そんな時、室戸ではトコブシ漁で磯金(フック)を使っていることを教わった。見まねで鉄棒をたたいて削って作ってみたが、これがすぐれもの!ドライバー・ハンマー・ナイフなどの役目をこれ1本でこなしてくれる。ウニ・サザエをかき出し、アワビをはがしタコを追い出し、ナマコを引っかけイソギンチャクをそぎ落とす。採集範囲が一気に広がった。最初のフックは建設用の軟鉄だったのでサビやユガミに悩まされたが、すぐにステンレス棒になり長さや角度も工夫して磯採集の必需品となっている。(昭和49年頃~)

プロフィール     ロリコンのおじん

もったいないおやじ

Author:もったいないおやじ
桂浜水族館を縁の下から支えて半世紀。

かうんた
カレンダー
02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR