6 飼育員の仕事???
「朝5時半までに室戸へ行ってくれ」突然の館長命令。4時前に下宿を抜け出す。待ち合わせの植木屋さんと、車道と思えない谷ぞいの道を無理やり登り、トラックを乗り捨ててさらに20分ほど登った所で夜が明けた。「高谷君はこれと、それと、あの木を掘り出して」と云い残し、植木屋さんは仲間と2人で上へ。慣れないクワやツルハシを振り回してやっと2本目のクロガネモチの株を掘り越したころには日が傾き、植木屋さんは10本ほどの切株を引きずりおろしてきた。高知に帰り、仮り植えを済ましたのは10時過ぎ。「あと2日、頑張ってね」筋肉痛でフロにも入れずバタン。それでも3日目には4本堀り起した。下草に埋れて朽ち果てる運命の切り株を館長の趣味で、庭木に再生させるとのこと。18時間の重労働が3日間。これも飼育員の仕事なの???25才の新入社員の悩みは深い。(昭和46年12月)
飼育員とは思えない雑用ばかりの毎日の上、この“室戸の3日間”のあとは「転職は間違いだった…」「先生にSOSを出そうか…」などと真剣に悩んだことを今もはっきり覚えている。
飼育員とは思えない雑用ばかりの毎日の上、この“室戸の3日間”のあとは「転職は間違いだった…」「先生にSOSを出そうか…」などと真剣に悩んだことを今もはっきり覚えている。
スポンサーサイト