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610 悩まされた仕事⑦電気設備Ⓐ電気屋代行

ヘダイ
  旧館時代、電気設備は当時の館長が一手に握っていた(110感電②館長)が、昭和59年の移転新築以後は私の仕事になった。新築当時には電気トラブルはほとんどなかったが、そのうち増築や改装などで私は電気屋さんの助手として天井裏を這いまわり、ブロックを掘り返して配線を埋め込む手伝いを随分繰り返した。その電気屋さんに色々と教えてもらったものだったが、20年余り前に体調を崩してそのまま廃業してしまった。新しく電気屋さんを探してみだが、どの人もこちらの思惑どうりの仕事をしてくれない。仕方なく電気設備のほとんどを電気については全くの素人である私が、面倒を見続けているのが現状なのである。

609 悩まされた仕事⑥渇水警報Ⓓ復活

フウライウオ
  警報盤はギブアップ、とても私の手には負えないので知り合いの業者に何人か声をかけてみたが「警報盤はどうも」と断られた。館長がやっとなんとか「見てみましょう」と言う人を連れてきてくれたが、予想どうり「図面を…」と言われた。30年余りも前の盤だし私も見たことがない。「調べて図面を引いてみましょう」と言って、やり始めたのはリレーを引き抜いては差し替えるテストばかり「それは私のやってみた…」と言いたかったが飲み込んだ。数回通って調べに来てリレーを引き抜いていたが、さすがは専門家。「やっと怪しいと思える所が見えてきた」と言いつつリレーのテストを繰り返したのち、やっとのことで警報盤は復活したのである。

608 悩まされた仕事⑥渇水警報Ⓒブレーカー

 ヒブダイ2
 ところが次のシーズンの中頃、またしてもブザーがおかしくなってきた。今度は「早押ししても長押ししても止まってくれない。早く来て」と夜半に呼ばれた。ブーブーとうるさい中、やみくもにリレーの抜き差しを試してもダメ!。何しろ私は“魚屋”であって、お魚については少しは勉強したつもりだが、電気については全くの素人。まして警報盤なんてわかるわけがない。それでも私が何とかしなければならない立場にいるのである。たどり着いたのが警報電源「これを切れば全て止まる」と思ったが甘かった。この警報盤は停電警報と連動しているので、ブザーを鳴らすためのバッテリーに繋がっているので、ブーブーは止まってくれない。色々なめまわし、バッテリーに繋がっているそれらしいブレーカーを落としてなんとかブザー停止にたどり着くまで、真夜中に二時間余り!。疲れ果ててしまったのである。   続く

607 悩まされた仕事⑥渇水警報Ⓑリレー

ハオコゼ
  それから数年後、またしても真夜中に「ブザーが止まらない」との呼び出し電話。今度は「地下室のブザーを押してもダメ」とのこと。前回とは違って、地下室・作業場・入り口のいずれを押してもダメ!。やけくそでボタンをガタガタと早押しすると止まってくれた。これは接点ではないと解釈したが、その先の知識はない。多分沢山並んだリレーのどれかが不良なのだろうと想像して、わからないなりにリレーを引き抜いては差し替えてテストを繰り返し、少し焦げ目のついた怪しいと思えるリレーを見つけた。それを新品に取り替えるとブザーは正常に動くようになってくれたのである。   続く

606 悩まされた仕事⑥渇水警報機Ⓐ停止ボタン

ノミノクチ
  取水井戸の渇水警報のブザーが、異常な動きをするようになってきたのは10年ほど前のこと。この警報機は館内のどこにいてもわかるように、宿直室・作業場・切符売り場・地下室の四ケ所に設置されており、各所にある停止ボタンでブザー音だけは止まるようになっている。最初は宿直室から「ボタンを押しても音が止まらない」と呼び出されて、私が試しに地下室のボタンを押すと一発で止まった。宿直室では毎シーズンボタン操作を繰り返しているので、接点不良が起こっていたらしく、私が分解してヤスリで磨いて給油してやると、症状はなくなったのである。   続く

605 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策⑥新井戸

ネズミギス
  冬場の渇水対策で、月のうち半分以上を泊まり込んで徹夜の夜番をしている私を見かねた当時の館長が、新しく井戸を掘ってくれた(221井戸のお話④No4井戸)。4本井戸体制になってからは、それぞれの井戸からのポンプをかなり絞っても十分な水量がまかなえるようになり、夕方にその日の潮位を予想して絞りを入れて帰り、出勤時に開放すれば良くなり、泊まり込みから開放されたのである。ところがその後10年ほどして、一番古い80年ほど過ぎた井戸(No1井戸)が壊れてしまった。また元の3本体制にもどってしまったが、この新井戸は他の井戸よりもだいぶ深く掘れていて渇水には強く、基本的には夜番はなくなっている。それでも年に数回ほどは、夜中に呼び出されて対応しなければならないことが起こっているのである。

604 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策⑤おしっこ作戦

ヌタウナギ
  水位が下がり、ポンプが露出して冷却が出来なくなっておこる自動停止を防ぐには、露出した部分に水をかければいいかも、と考えて“おしっこ作戦”を思いついた。本体の横に立ち上がっている送水管に小さな穴を開け、ポンプにおしっこをかけてる状態になるようにセットしてみたのである。この作戦はかなりの効果があった。本体が30cm余り露出したあたりで起こっていた自動停止が、エア吸いが始まる直前の50cmちかくまで停止を引き伸ばせるようになったのである。

603 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策④穴あけ

ニザダイ
  桂浜の井戸は底部からのみ湧水する構造で、ポンプを起動すると水位は50cmほど下がってしまう。もし井戸の側面にも穴があればもっと水位を確保出来るかもと考えて、潮が特別によく引く時を狙って井戸側にコンクリートドリルで10㎜の穴あけてみた。その穴から毎分10リットルほどの水が噴き出してきたので、よし!と頑張ったが10㎝の厚さのコンクリートなので、一晩に20本ほど開けるのが精一杯。毎晩真夜中に井戸の底での作業を繰り返し、各井戸に50本づつほどの穴を開けた。これにより水位は30㎝ちかく上昇し、当初は大成功と思っていた。しかしその穴は少しづつ目詰まりが起こり、今では半分以上の穴が仕事をしなくなってしまっているのである。

602 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策③絞り

ナベカ
  切り替えはあまりにも手間がかかるので、何とかしなければと考えた末にたどり着いたのが“絞り”である。バルブを絞って吸水量を少なくすると水位が保てて切り替えが必要でなくなる。電流計を見ながらポンプのメインバルブを絞り、各水槽への注水量を調整しておくと、あとは渇水が終わるまで待ち時間となるのである。そこで待ち時間には浜で投げ網をしてギンユゴイやコバンアジを獲ったり、満月の月あかりでよく引いた磯を回って、ウニや貝類の採集をする余裕も生まれた。しかしそれでも自動停止が起こるほど潮が引くようなこともある。そんな時はさりに絞り込み、イルカやペンギンプールへの注水を止めて、魚類水槽のみに注水を集中しなければならないことも起こるのである。

601 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策②切り替え

トガリエビス
  気象庁が発行している“潮汐暦”の干潮時間と警報の発報時間を見比べて、もうすぐ込み潮になる時間ならばスルー出来るが、この先まだまだ井戸の水位が下がる見込みだと対策が必要になる。3本の井戸で、ポンプの過熱による自動停止が2台同時に起こるのは絶対に避けなければならないので、それを防止するために、当初は“切り替え”を行っていた。そろそろ危なくなりそうと判断すると、1台を手動で止めて休ませ30分おきに順番に回してゆくのである。大抵は2順ほどで干底をクリヤーできたが、潮位が特に低い潮回りには、4順しなければならなかったこともあったのである。

600 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓑ対策①夜番

テンス
  冬場の夜の“渇水”は早い時は9時過ぎに警報ブザーが鳴り、毎日約40分づつ位遅れながら最大10日間続く。当初はブザーで呼ばれると、井戸の蓋をはぐり8mほどの底まで降りて水位を測り、30分ごとに海の干潮と井戸の干底の時間差を比べ、センサーの高さを調整し、ブザーの発報とポンプの露出ぐわいと発熱による自動停止までの時間とその間隔を繰り返し調べた。その結果、海の干潮と井戸の干底の差は2時間15分で、自動停止は発報から2時間後。停止すると水位が回復するので15分ほどで自動復帰することなど、徹夜の夜番を繰り返し“渇水”の対策・対処方法を模索したものである。

599 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓐ解説②

ツキチョウ
  土佐湾などの太平洋岸では、冬場の満月の真夜中に大きく潮が引く(春になると新月の昼間に引くので潮干狩りシーズンになる)。早い年では九月の満月の夜の潮から始まり、三月まで“渇水”に備えねばならない。潮位は気象にも大きく左右される。お天気が悪くなると気圧が下がり波も出るので潮はあまり引かない。逆にお天気が良くなり、高気圧が張り出して北風が強く吹くと、土佐湾の海水が沖へ押し出されて、潮位は大きく下がってしまうのである。各井戸には水位センサーがセットされていて、危険水位まで下がると宿直室でブザーが鳴り、私が呼び出されるのである。

598 悩まされた仕事⑤井戸の渇水Ⓐ解説①

チョウハン2
  当館では桂浜に掘った井戸から海水を汲み揚げでいる。波打ち際から80mほど離れた遊歩道のすぐ横にある井戸は、大潮の干潮水面より1mほど深く掘ってあるが、それでも夜間の干潮時に大きく潮が引く、冬場の大潮には“渇水”が起こる。各井戸には7.5kWの水中ポンプが座っており、稼働中は毎分1tちかく吸い揚げているので、停止時の水面より50cmほど水位が下がってしまう。ポンプ本体が水面より露出してしまうと、モーターの発熱を冷却出来なくなり、安全装置が働いて自動停止してしまうのである。常時三台稼動しているのだが、二台が同時に自動停止してしまうと水圧不足になり、魚類水槽への注水が止まってしまうのである。

597 悩まされた仕事④排水口Ⓓ破壊

タイワンダイ
  逆に台風が沖縄方面から来ることが続くと、桂浜の砂は東に移動し、排水管が掘り出されてしまう。浜に露出した40cmの排水管は見苦しいので、出来るなら砂をかけて埋戻しをするのだが、ほんの少しの波ですぐにまた掘り出されてしまう。さらに大きく掘り出されると手の施しようがないのである。大抵の場合は晩秋に関東沖に出来た台風が埋戻してくれるのだが、今年の夏は西側の台風が続いて掘り出されていた排水管が、九月末の強力な24号台風の大波で、ついに中ほどからパイプがもぎ取られてしまった。さすがにこれは私の手に負えず、修理は業者に発注するしかなくなってしまったのである。

596 悩まされた仕事④排水口Ⓒユンボ

ソメワケベラ
  ある年、関東の沖に台風がいくつも発達し、桂浜の砂が大きく西側に移動(206桂浜百景⑥砂の移動)したことがあった。排水口は3mほど埋まってしまい、半月かかっても掘り出せなかった。数人がかりで2m近く掘り込み、そこへさらに堀内パイプを入れたが、このパイプも排水口のすぐ近くに届かないと、排水は浸み出すだけで噴き上がってはこない。プール掃除も出来ず困ってしまい、とうとう知り合いの建設業者に頼み込んで、重機(ユンボ)を借りて掘り出さねばならなくなったこともあったのである。

595 悩まされた仕事④排水口Ⓑ堀内パイプ

センニンフグ
  昭和59年の移転新築で、排水管は40cmの塩ビパイプになったので、もう波に壊されることはあるまいと思っていたら、砂の移動によって排水口が埋められてしまうことが多くなってきた。1m以上埋まると自噴出来なくなり、掘り出してやらなければならなくなる。桂浜の砂は比較的目が粗く排水口が埋まってもしばらくは浸透してゆくが10日ほどで目詰まりになり、プールの排水が出来なくなる。砂浜の排水口を掘り出すのは非常に手間がかかる。砂は掘っても掘っても次々と崩れてくる。深さ1mまで掘るには直径3mぐらいで掘り進めねばならない。そこで考案されたのが“堀内(釣り勝負を繰り返した相棒だった男の名前)パイプ”である。直径10㎝で長さ1mほどの塩ビ管。これを排水口の真上と見当をつけた場所に突き立て、パイプの中だけを掘り進める。うまく排水口近くまで行くと排水圧で吹き上がって来るのである。

594 悩まされた仕事④排水口Ⓐ旧館時代

スズキ
  当館は現在では非常に珍しくなってしまった“解放式”で魚類を飼育している。桂浜の砂浜に掘った5本の井戸(218~222井戸の話)から汲み上げた海水をかけ流しにし、排水は直接浜に返す。その浜は台風などの波によって砂が大きく移動(206桂浜百景⑥砂の移動)する。旧館時代波にさらわれたり逆に埋められたりした排水管の修理が、私の大きな大切な仕事で何度も何度も繰り返された。当時の館長に「もっと丈夫な排水管を…」と注文したこともあったが「どんなに丈夫に作っても必ずすぐに波に壊される。壊れたら修理するのがお前の仕事」との返事だったのである。

593 悩まされた仕事③水漏れⒹアカメ水槽

シマイサキ
  アカメは当館の目玉なので、新築の際本館の正面に水槽を構えた。それが10年ほどして中央の解説板のすぐ下のあたりから漏れ始めたのである。コンクリートに小さなクラックが入りそこから浸み出すように漏れ出ている。何しろ本館の正面なので館長は「見苦しいので何とかしろ」と…。クラックに水中ボンドを押し込んでも、すぐ隣から浸み出すように流れ出る。これを止めるには水を抜いてFRPを剝がし、場合によってコンクリートを壊して張り直さねばならない。漏れ出る場所も悪く、流してゆく先もない。流量が多い時など、正面に水たまりが出来るので、度々拭き取らねばならないこともあった。この状態は20年以上続いたが、3年ほど前この水槽の上部に大きなひび割れが出来た。どうしても水槽全体のメンテナンスが必要になって、業者がそのひび割れを修理。底にあったクラックには樹脂を押し込んでFRPも張り直し、やっとのことで長年の懸案がかたずいたのである。

592 悩まされた仕事③水漏れⒸ微量漏れ

サヨリ
  先週のマンボウ水槽には、別の場所からほんの少しの漏れも続いていた。こちらもパテの傷が原因なのは間違いないのだが、微量過ぎるので漏れ場所の特定は不可能である。何しろ漏れ出た海水が、流れる途中でルートを変えて、そのあとがツララのようにアクリル面に残り、塩分だけがこびりつく。そんな筋が毎朝2~3本、それを拭き取ると夕方にも1~2本。上部からの漏れは間違いないので、お魚をそのままに水位を半分まで下げて修理を試みた。パテの部分をトーチランプであぶり水分を飛ばしてシリコンを塗り付ける。しかし何度やっても効果はなかった。水漏れを外側から止めるなんて絶対不可能とは思いながら、万策尽きたので試しにシリコンで外側から抑え込んでみた。なんとこれが成功し、一年半近く過ぎた現在も止まっているのである。

591 悩まされた仕事③水漏れⒷマンボウ水槽

コバンアジ
  この水槽は私がマンボウを飼育するために作ってもらった50tほどの水槽だが、10年ほど前マンボウの飼育を諦めると、若いのがアオウミガメを入れた。それから半年ほどすると、水漏れが始まったのである。亀がパテを傷つけたのは間違いない。そこで潜って何度も何度も調べてみたが、パテの傷が予想以上に多くて場所が特定できない。考えたあげくに思いついたのが、白点病の治療に使われているメチレンブルー。この色素を注射器に入れて、傷ついたパテの周りをグルグル回って、やっとのことで吸込み口を見つけた。ドライバーを差し込むとドンドン吸い込むので、そこに水中ボンドを押し込むと見事ピッタリ止まったのである。
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